My Cinema Talk World: 6月 2013

作品インデックス

2013/06/16

信じること

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最近、宗教やスピリチュアルについて考える機会が何度かあった。
キリスト教を信仰している人、はたまた宗教ではないけれど、なにか宗教的なもの、スピリチュアルなものにハマっている人…さまざまだ。
宗教は、人間が生きて行く上でつらいことにぶつかった時の拠りどころなのだと考えている。
否定している訳ではない。
信念をもって何かを信じている人は、何もよりどころがない人より強くいられる。
「宗教...イスラム教であれ、仏教であれ、キリスト教であれ、信じることで何かに頼れるし、「死」への恐怖が軽減される」
それが私が考える「宗教」またはそれに似たもの…スピリチュアルなものの位置づけだ。
自分に「死」が訪れた時に、
”この世を離れた自分の魂を誰かが迎えてくれる”
または、
”すぐに別な人間として生まれ変われる”
と考えるのと
”死んだ時点で意識も何もかも消え、肉体は骨を焼かれて土に埋められて、人々の記憶から消えて行ってしまい….”
と考えるのとではどうだろう?
常に恐怖を抱いている人は、実際に何も起こっていない得体の知れない影に常に怯えて思うように行動することができない。
なにか、頼れる人や神があれば、それを信じる事で「救われる」という気持ちになり、自己を強く保っていることができる。
また、たとえ罪を犯してしまった時に自分が許せないでいる時も、他者に
「罪を許しましょう」
と言われると気持ちが軽くなるのが人間の特性。
そういう部分につけ込んでくる悪質な人たち、団体も少なくない。

私はと言えば無宗教ではあるが、その都合で「輪廻転生」を信じたりする。
それでいいと思っている。
ある時から、辛いことがあったときは未熟ものの自分を受け入れ、向き合って苦しむことにした。
さて常に「おうちヨガ派」だった私は、ここ最近幼稚園時代からの友達を誘ってヨガスタジオに通い始めた。
ヨガは自分の今の精神状態や身体の不調と向き合えるし、「気付く」ことの助けになっている。

スピリチュアルカウンセラー(?)とかいう人たちを頼る気持ちはない…それを信じる人を否定もしない。
何を信じて、どう行動するかは人それぞれなのだ。

一昨日、「ライフ・オブ・パイ ートラと漂流した227日」を観た。
あの映画での家族間での宗教問題。
そしてパイが後に語った漂流した時の2つの物語。
どちらを信じますか?
結局のところ、信じている人にとっては各々が信じていることこそがどれも「真実」であるのだと思う。
私は、もちろんトラのリチャード・パーカーとパイが小舟で過ごした方の物語を信じたいです。
海に突然放り出されたら、独ぼっちよりトラが一緒にいてくれるほうが、私はいい。
(猛獣と小舟で共存するのはかなり無理がありますけど、たった1人は絶対イヤです)
それにしても、アン・リー監督、またまた素晴らしい作品を作ってくれました^^
「ブロークバック・マウンテン」も素晴らしい作品だった。
出演者も、スゴい演技を見せてくれた…中でもジェイク・ジレンホール、ヒース・レジャーは秀逸!
家族で楽しめたし、観た後「深いなー」と思いました。
ライフ・オブ・パイはブロークバック・マウンテンとはまた違った映像美。
夜の海のシーンが、特に感動しました。
...息子は3Dに興奮気味でした。

アイ ウォント ユー(I Want You)ー コステロの曲名がピッタリハマってる映画


レイチェル・ワイズが好きな方は一度は見ておいたほうがよいし、若きアレッサンドロ・ニヴォラもステキでございます。
映像と音で表現している感覚で見る作品大好きなのです、私。

キャスト
アレッサンドロ・ニヴォラ(マーティン)
レイチェル・ワイズ(ヘレン)
ルカ・ペトルシック(ホンダ)
ラビナ・ミテフスカ(スモーキー)

スタッフ
監督: マイケル・ウィンターボトム
脚本: エワン・マクナミー
製作: アンドリュー・イートン
撮影: スワヴォミール・イジャック
公開: 1998年10月30日(イギリス)1999年1月15日(日本)
原題: I Want You