My Cinema Talk World: 3月 2014

作品インデックス

2014/03/23

「レクイエム・フォー・ドリーム」ー 快楽の末にみる悪夢が恐ろしすぎる

Requiem_For_A_Dream_poster.jpg

先日、アカデミー賞助演男優賞を受賞したジャレッド・レト主演の「レクイエム・フォー・ドリーム」は、見た後はしばらくは忘れてしまいたいと思うほど恐ろしい作品です。
人間の心の闇を監督ダーレン・アロノフスキー流の映像手法を用いて描き、レクイエム(鎮魂歌)のラストは完璧なまでの奈落への大団円を迎えます。
生きる上では楽しいことばかりではなく苦しみも受け入れながら生活して行かなくてはならない。その苦しみを逃れるために人は夢想に走ったり薬に助けを求めたりもする。
日本では欧米のように広がってはいないだろうけど、ドラッグを使って簡単に緊張を緩和したり快楽を求めたりする。薬や麻薬に頼った果てはどんな恐ろしいことが起きるのか。4人の男女が終焉までの経路の案内人です。
この作品を観賞しながらも目を背けたくなるのは、少なからず誰でも彼らと同じ「心の闇」をもっているからだと思います。

ストーリー

ニューヨーク・ブルックリンの大西洋岸にあるコニーアイランドの団地に住む未亡人のサラ(エレン・バースティン) は、一日中テレビでインフォマーシャルを見る孤独な生活を送っていた。一人息子のハリー(ジャレッド・レト)は高校を卒業したものの定職に就かず、親友のタイロン(マーロン・ウェイアンズ)と共にヘロインに溺れ、サラの大事なテレビも質に入れてしまう始末。
そんなある日、サラの元にテレビの視聴者参加型番組への出演依頼があり、サラはハリーの高校卒業式に着た、とっておきの赤いドレスを着ようとしたのだが食べて寝るだけの生活から太ってしまい、着られなかった。自己流のダイエットを始めてみるが上手くいかず、医者に処方されたダイエット・ピルを飲み始める。
一方ハリーとタイロンは金儲けのためにヘロインの密売を始め、やがて恋人のデザイナー志望の女性マリオン(ジェニファー・コネリー)と共に洋品店を出す夢を抱くようになった。



ー 以下ネタバレになるので省略 ー
��Wikiより)

キャスト
    ハリー・ゴールドファーブ:ジャレッド・レト
    サラ・ゴールドファーブ:エレン・バースティン
    マリオン・シルヴァー:ジェニファー・コネリー
    タイロン・ラヴ:マーロン・ウェイアンズ
    タフィー・ティボンズ:クリストファー・マクドナルド
    エイダ:ルイーズ・ラサー
    ビッグ・ティム:キース・デヴィッド
    アーノルド:ショーン・ガレット
    医師:ディラン・ベイカー

スタッフ・作品情報
監督      ダーレン・アロノフスキー
脚本      ヒューバート・セルビー・ジュニア、ダーレン・アロノフスキー
製作      エリック・ワトソン、パーマー・ウェスト
音楽      クリント・マンセル
撮影      マシュー・リバティーク
編集      ジェイ・ラビノウィッツ
配給      Artisan Entertainment(アメリカ合衆国) ザナドゥー(日本)
公開      2000年10月6日(アメリカ合衆国)
2001年7月7日(日本)
原題      Requiem for a Dream


      



requiem_for_a_dream_1.jpg
ハリー(ジャレッド・レト)、マリオン(ジェニファー・コネリー)、タイロン(マーロン・ウェイアンズ)は典型的なジャンキー・ピープルで最近の映画でよくみる人物像であり、ハリーの母親サラ(エレン・バースティン)は部屋に閉じこもって大好きなテレビ番組を見ているうちにいつの間にかテレビの中の憧れの人になっちゃったという幻覚をみる孤独な初老の女性。時々現実に戻って来た時、自分があまりにも太りすぎていることを気にしはじめ処方薬による怪しげなダイエットを開始。薬を飲み続けた挙げ句、とうとう行くべきところに行き着いてしまいます。マリオンだけではなく、4人全員自分達がして来た行動の責任を負うハメになってしまいます。
アロノフスキーの映像はさまざまな手法が駆使されていて、それによって閉塞感とか焦燥感だとか精神的な不快感を煽っているのだろうとおもいます。映像学などをちゃんと勉強したわけではないのでよくはわからないのですが。たとえばハリーとマリオンの2人を監視カメラから覗いているようなのとか、早送り的手法、演技者の上前方からカメラをぶら下げて撮影する(お笑い番組など芸能人をジェットコースターに乗せる時にヘルメットに小型カメラを装着して撮るあんな感じ)方法とか画面を2分割してそれぞれの人間の表情を捉える手法、小刻みにカメラを揺らすとか…うるさ過ぎて視覚に優しくないのでかなり好き嫌いはあるのではないでしょうか。私は正直なんだか映像が耳障りな雑音のように感じて疲れてきました…80年代のMTVのPVを見ているような錯覚を覚えました、私が嫌いだったPVのようで。ピーター・ガブリエルの「スレッジ・ハンマー」とかワンチャンの「Everybody have fun tonight」とかっぽい気がしました。
しかし、ラスト部分の息が止まるほどの畳み掛けるような緊迫感はお得意のその手法と音楽に依る効果から完璧に完成されているもので、「きゃー!もうやめてあげてー!!」って叫びたくなるほどの鬼気迫るフラッシュの攻勢が迫ってきます。
曲は一度聴くと「あれ?どこかで聴いたことある?!」って多くの人が思うであろう『Lux Aeterna』ですね。
とにかく、この映画を見た後は「嫌なものから目を背け続けているとこうなっちゃうんだね。」って教訓を得るとともにしばらくは見たくないって気持ちでいっぱいになりました。観る人をこんな状態に追い込んでいるということは、監督の目論み通りの作品に仕上がっているんですよね、多分。
ほとぼりが冷めたら性懲りもなくまんまと見るだろうと思うけれど。。。

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2014/03/19

LIFE! ー もう紋切り型の褒め言葉などいらない!!!

LIFE.jpg

ここのところ、DVDの観賞だけではなく直近の劇場公開作品も観ております。
本日は、早速「LIFE!」の感想を書きました。
以前何かを見に行った時、劇場でTrailerを観てから観たい観たいと思っていました。予告編だけでも感動してしまったのです。
音楽と、面白そうなシーンと壮大な景色と…ところが実際観てみると「予告編で想像できるような感動もなく…」ってパターンが往々にしてあります。
さて、この映画はどうだったでしょう?!

ストーリー

ライフ誌で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、空想の世界で同誌の最終号に必要な1枚の消えた写真を探しに冒険へ旅立つ。


��Wiki より)

キャスト
ベン・スティラー - ウォルター・ミティ、雑誌『LIFE』の社員
クリステン・ウィグ - シェリル・メルハフ、ウォルターが想いを寄せる同僚女性
アダム・スコット - テッド・ヘンドリックス、ウォルターの新しいボス
パットン・オズワルト - トッド・マハール、デートサイト『eHarmony』の顧客サービス責任者
ショーン・ペン - ショーン・オコーネル、冒険家、写真家
シャーリー・マクレーン - エドナ・ミティ、ウォルターの母
キャスリン・ハーン - オデッサ・ミティ、ウォルターの妹
ジョーイ・ソルトニック

スタッフ・作品情報
監督      ベン・スティラー
脚本      スティーブン・コンラッド
原作      ジェームズ・サーバー著『虹を掴む男』
製作      スチュアート・コーンフェルド、サミュエル・ゴールドウィン, Jr.、ジョン・ゴールドウィン、ベン・スティラー
音楽      シオドア・シャピロ
撮影      スチュアート・ドライバーグ
編集      グレッグ・ハイデン
公開      2013年10月05日 (ニューヨーク映画祭)
2013年12月25日 (アメリカ合衆国)
2014年03月19日 (日本)
製作国      アメリカ合衆国
原題      The Secret Life of Walter Mitty

Life1.jpg

以下、若干のネタバレあります。

本作は1947年の古い映画「虹を掴む男」のリメイクであり、ベン・スティラーが監督し主人公のウォルター・ミティを演じる側でもあります。
さっそく単刀直入にいきますが、予告編よりも素晴らしかった!リアルタイムで観た映画でこんなに感動するのってほんと久しぶりです。
この映画を観た感想で「元気が出る映画」「夢は実現できるんだって考えさせられる映画」って紋切り型の言葉が駆け巡っているのですが、それだけに留まらないです。まずは随所にコメディとかお笑いのスパイスが盛り込まれているんだけれど...特にウォルターの空想シーンね...その部分でテンポが狂ってしまうとか。あと、毎日の単調な生活に籠もりっきりだったウォルターが突然通常だったら経験することのない旅に出るところで「あり得ないだろ!」って思う人が多いかもしれない。私は却ってそこが面白かったです。だいたいにしてあんな過激な想像する人っているかなぁって思うと面白くて笑っちゃいます。ゴム人形のシーンとか憧れのシェリルと結婚後に「ベンジャミンバトンの数奇な人生」みたいな老夫婦になることを思い描く場面とか思い出すだけで吹き出してしまう。デビッド・ボウイの「スペース・オディティ」の弾き語りで背中を押されてヘリコプターに乗り込むシーンがこれまたいい、この曲効果的に使われています、改めて聴き直してしまいましたが今更ながら名曲だと実感しました。
とにかく、なんといっても突拍子もなく旅に出るシーンとその現実離れしたディテールは、あり得ないからこそいいんだし必須なんですね、この映画にとっては。
Life4.jpg
いじわるな上司テッド役の俳優もおバカで態度でかい憎まれ役として素晴らしかった。
笑っちゃったのは、カメラマンのショーン・オコネルが火山噴火の写真を撮ってる時のあのシーンです....信じられない、アレ!!
あり得ない夢想シーンと突拍子もない冒険は観る人によっては「興ざめ」という危険を招きかねない。
それにもかかわらず惹き込まれてしまうのは、しっかりと別な「リアリティ」が溢れているから。日々を漫然と安全に生活しているだけの人々(自分を含む)がウォルターのように冒険したいとか別世界をカメラで撮りたいと多くの人が夢見ているからこそ心に響くのだと思います。映画や本で眺めて憧れる映像は自分の手の届かない世界だと思い込みがちだけれど、一歩別世界に踏み出す勇気があれば平凡な自分でも経験可能なんだということ。
嗚呼、実は紋切り型の感想しか言えないは自分なの...とほほ(汗)。
映画の中では現像室という温室に籠りきりのウォルターに一歩踏み出すきっかけを作ってくれたのが、ショーン・ペン演じる写真家ショーン・オコネルなんですね。特別出演って感じの位置なんだけれど、あの存在感とカッコよさは凄すぎるし結構おちゃめ。年を重ねてますます重厚な魅力を発しております。モノクロ写真の中であんなオーラを発しているのにも改めて感動しました。演技だけでなく動かなくても写真家を演じきっていました。あの写真、誰が撮ったのかな、ピンタレストに載せたい。(コレね↙)
Life3.jpg
フィルムで撮ることのカッコよさとか意義とか現像が写真家にとってどれほど重要なことかも再認識しました。(ネガをじっと見てたらコダックのトライXを使ってたmoe )自分の作品をつくるために敢て自分の手で現像するカメラマンも結構いますものね。
今までと全く違う場所に飛び込むことで彼の夢想もなくなってきます、目まぐるしすぎてそのヒマもないのでしょうねkyu
ところで下世話な話ですが
いわずもがな「LIFE」って実在の雑誌なんだけれども、映画のエンドロールとかクレジットを見てもとりたてて何もなかった気がするんですけど?どうなんでしょう??ありましたか???
音楽もすごくいいんですよね。先に紹介したデビッド・ボウイのスペース・オディティ(ジョン・レノンっぽいですよね、この曲。ひょっとしてフリッパーズ・ギターとか影響受けてませんか?)
ホセ・ゴンザレスって方の曲も素晴らしい!
あああ~ああ♪あああ~ああ♪って曲。
サントラにはスペース・オディティの”フィーチャリング クリステン・ウィグ バージョン”も納められています。
ラストもちょっと途中で想像ついてしまったんだけれど、見事泣きました。
しかし、ベン・スティラーっていいよね!!
LIFE誌とオールドムービーのリメイクのコラボ、見事に成功でしょう手
LIFEオンラインの写真も眺めてみるといいですよ、歴史に残るショットが見られます。→ LIFEオンライン

で、敢てこちらの動画を貼付けます♪
スペース・オディティ ー フィーチャリング クリステン・ウィグ

2014/03/18

「ダラス・バイヤーズクラブ」 ー 死を目前に人はどう行動するか!?

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突然ですが、先日「ダラス・バイヤーズクラブ」観てまいりました。
アカデミーの作品賞にノミネートされていた中で2番目に見たかったのがこの映画。もっとも見たいのが「her/世界でひとつの彼女」なんです(6月に公開らしくてまだまだ先...哀しい、3月末公開でもいいんじゃないですかねぇ)。
先日のアカデミー賞受賞式をYoutubeで見ておりましたが、主演男優賞と助演男優賞とダブル受賞でほんとよかった、文句なしの受賞です。
この映画のタイトルを初めてきいたとき、「賭博」とか「人身売買」に絡んだ話なのかとか、勝手に頭の中に渦巻いていました。ちょっと的外れだったようですね^^;
80代、HIV陽性とはエイズのことでありエイズということは同性愛者という烙印を否応なく押されてしまうような時代で、エイズ=死を意味する病気でした。
私が今、ここで頭に浮かぶ著名人でもエイズで亡くなった人たちは、デレク・ジャーマン、シリル・コラール、俳優のデンホルム・エリオット、クイーンのフレディ・マーキュリー、ロバート・メイプルソープ、などなど...そして映画の中にも名前が出ていた俳優のロック・ハドソンも。とにかく少なくありません。
90年代後半くらいからかな、エイズで亡くなったという話題を聞かなくなりました、ということはエイズを治す薬が出来たということなのでしょうか。

ストーリー

 1985年、電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、HIV陽性と診断され余命が30日だと言い渡される。アメリカには認可治療薬が少ないことを知った彼は代替薬を探すためメキシコへ向かい、本国への密輸を試みる。偶然出会った性同一性障害でエイズを患うレイヨン(ジャレッド・レト)と一緒に、国内未承認の薬を販売する「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するが……。


(YAHOO映画)

キャスト
マシュー・マコノヒー - ロン・ウッドルーフ
ジェニファー・ガーナー - イヴ・サックス
ジャレッド・レト - レイヨン
スティーヴ・ザーン - タッカー
ダラス・ロバーツ - デイヴィッド・ウェイン
マイケル・オニール - リチャード・バークレー
デニス・オヘア - セヴァード
グリフィン・ダン - ヴァス
ジェーン・マクニール - フランシーヌ・サスキンド
ジェームズ・デュモン - レイヨンの父
ブラッドフォード・コックス - サニー
ケヴィン・ランキン - T.J.
ローレンス・ターナー - ラリー

スタッフ
監督      ジャン=マルク・ヴァレ
脚本      クレイグ・ボーテン、メリッサ・ウォーラック
製作      ロビー・ブレナー、レイチェル・ウィンター
製作総指揮      デヴィッド・L・ブシェル、ニコラス・シャルティエ、カシアン・エルウィズ、
ゼヴ・フォアマン、ローガン・レヴィ、ジョー・ニューカム、Tony Notargiacomo、
ネイサン・ロス、ホリー・ウィーアズマ
撮影      イヴ・ベランジェ
公開      2013年11月1日(アメリカ合衆国)
            2014年2月22日(日本)
上映時間      117分
製作国      アメリカ合衆国
製作費      $5,000,000
興行収入      $26,403,352(アメリカ合衆国)
$32,403,352(世界)

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2014/03/16

「アメリカン・ハッスル」の感想です。

american-hustle-poster.jpg


アメリカン・ハッスル見てきました。

アカデミー賞をはじめさまざまなアワードにノミネートされていましたよね。

俳優陣のテンションも上がりっぱなしの体当たり演技で頑張ってます。


しかしながら、うーん…

以下記載する内容はあくまでもわたくし個人の感想です。

さっそくですが、少し前に見た「ウルフ・オブ・ウォールストリート」には負けてる気がするんです。「楽しかったー」っていう後味がなく、なんというかハリウッド・スターのファッションショーとか変装大会を見せられて「楽しんでくれましたかー?」って感が否めない。。。


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前半から中盤がテンポが悪く、セリフもダラダラグダグダと無駄なシーンが多い気がしました。若干眠くなりましたが、エイミー・アダムスのセクシーなハミ○とジェニファー・ローレンスのハスキーボイスのまくし立てシーンのお陰で少し目が覚めました。

中途半端にセリフで攻めようとせずおバカ炸裂路線のみを徹底追求すればよかったんじゃないかしら。せっかく、クリスチャン・ベールがあそこまでかっこわるい男に化けたんだし...無駄になっちゃうよDocomo_kao19

いまいち感動が薄かった映画の感想を残すのはどうかと思いましたが、見て来たということで記録の意味で綴ってみました。

また再びDVDで見たら感想が変わるかもしれない、その時は別途感想をupするということで。

書き忘れましたが、音楽はとてもよかったです。なぜか最近70年代の音楽が流れる映画ばかり見ているんですよね。

しいていえば、エルトン・ジョンの「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」、ウィングスの「リブ・アンド・レット・ダイ」、「ドント・リーヴ・ミー・ディス・ウェイ」なんか聴きどころですね。


中でも、最もお気に入りのDon't leave me this wayを貼付けておきまーす。(敢て自分のお気に入りの80年代のコミュナーズの方を貼付けますねー)










映画情報は公式サイトにてご確認くださいませ…。



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2014/03/11

3.11 ー あの頃の自分...家族へ


JUGEMテーマ:子供

yuuki_2005_7a.jpg   yuuki_2005_7.jpg


久々にいつもの映画の感想から離れてみた。

10年ひとむかしというけれど、PCに残ってるかなり昔の写真を眺めていたらやめられなくなってしまった。

息子がかわいすぎるっ!

何がかわいいって…とにかく小さい。今はデーンッとものすごい体型してるのになんだかあの頃の息子は小動物のようだ。

小6の息子は、私が仕事から帰ると「今日のめしは何?」と一番に口を開く。

あの頃は家族で外出してお昼時に「どこか入ってごはんでも食べる?」とダンナか私がいうと

「ぼく、お腹へってない」

と言ってご飯を食べたがらないし、肉類も嫌ってほとんど食べない、ポケモンのヒノアラシがお気に入りの草食系の子供だった。

昔の日記をよんでいたら「息子がトイレでうんこをした。うれしい!」的な内容やらひきつけを起こして40度の熱を出したことやら…なにやら自分じゃないくらい感動が多くてとにかく毎日が「動いてる」気がするのだ。

そう、猫さんもまだ子供だったし…子猫や子供が小さい時にかわいらしいのは当然だとは知っていながらも目を細めて自然と和んでしまうのだ。


koha.jpg


今日で震災から3年がたつ。震災で家族を失ったとか避難を余儀なくされたとか私たちには直接的被害はない。

ただ、臆病が原因の症状で息子にも影響を与えてしまっていたと思っている。もちろんダンナさまにもだ。

元来気が小さい自分は常にビクビクしていて過呼吸を起こしたり、とにかく落ち着きがなかったことは大事な年頃の子供に対し何かしらの影響を与えてしまった気がするのだ。息子をしっかり守るべき親の立場でありながらとても申し訳ないことをしてしまったと思う。

震災で自分の中の何かが崩れたというべきか。心の均衡が保てなくて家族に対して自分が影響を与えてしまった情けなさと息子が小さかった頃の笑顔の写真が自分に言いしれぬ感情を呼びおこしてしばし涙ぐんでしまった。

これからはこの経験を教訓に自分がしっかり地に足をつけていることを常に意識して生きていこうと思う。

今日、午後2時46分にはしっかり黙祷をしよう、仕事中だけれど。


yuuki_2005_7b.jpg


小さな頃の息子の写真を見つけたので、ブログに貼付けまくってしまいました...



次回は映画の感想ブログに戻るでしょう...





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2014/03/08

「127時間」 ー 生き抜く執念を教えてくれる作品

127Hours_poster.jpg

人生が変わってももはやどうってことないって年齢に到達しておりますワタクシですが、この作品を見て自分の中で何か考え方が変わりました。
人生観?
生きる意味?
なんだかありきたりな表現しか思いつかないけれど。
一日一日もっと大切に生きるべきなんだって気づかされる作品です、これも軽々しいよくある言い回しだけれど。
何かに落ち込み、ストレスを感じ「もー!やだ!!」なんてこと繰り返す毎日を送っておりましたが、こんな苦悩がとても馬鹿げていて些末なことだと思い知らされました。
彼の生きざまを見た後は「死にたい」とかなんて軽々しく口にできなくなるだろうなー。

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ストーリー

アメリカ・ユタ州のブルージョン・キャニオン。ロッククライミングをしていた登山家のアーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)は落石事故に見舞われ、右腕を断崖に挟まれたまま身動きが取れなくなってしまう。助けを呼ぶ術もなく5日間が過ぎ、命も尽き果てようというとき、アーロンは自身にある決断を下す。


(シネマトゥデイ より)

キャスト
アーロン・ラルストン      ジェームズ・フランコ
クリスティ・ムーア      ケイト・マーラ
ミーガン・マックブライド      アンバー・タンブリン
ラナ      クレマンス・ポエジー
ソニヤ・ラルストン      リジー・キャプラン
ドナ・ラルストン      ケイト・バートン
ラリー・ラルストン      トリート・ウィリアムズ

スタッフ・作品情報
監督      ダニー・ボイル
脚本      ダニー・ボイル、サイモン・ボーファイ
原作      アーロン・ラルストン
製作      ダニー・ボイル、クリスチャン・コルソン、ジョン・スミッソン
音楽      A・R・ラフマーン
撮影      アンソニー・ドッド・マントル、エンリケ・シャディアック
編集      ジョン・ハリス
公開      2010年9月12日(カナダ)
            2010年11月5日(アメリカ )
            2011年1月7日(イギリス)
            2011年6月18日(日本)
製作費      $18,000,000
興行収入      $57,547,568
原題      127 Hours

127Hours1.jpg

登山家であるアーロン・ラルストンの自伝「奇跡の6日間(Between a Rock and a Hard Place)」をダニー・ボイルが映画化した本作、私の中では間違いなくボイルの最高傑作です。
先日ダニー・ボイルの「シャロウ・グレイブ」の感想を書きましたけど、スピード感溢れる映像は両作共通しています。
「127時間」はアーロンの置かれている閉塞状態と彼の頭の中に去来する以前の生活、大自然そして空想の世界とがカラフルでポップな映像で描かれています。
とにかくわたしの好みでした。MTV世代だからでしょうなたらーっ
例の事件が起きる前に、女の子2人と洞窟の中の水に飛び込むシーンは、スピード感ハンパなくて爽快です。
音楽も言うことなしグッドチョイス手
ビル・ウィザースの曲が入ってくるなんてもう感激エクステンション
それにしても、アーロン・ラルストンって男性は凄いとしかいいようがないです。
併せてイケメンだし、飄々とした不思議な魅力を持っています。
(演じていたフランコもかっこいいけど…俳優だから当然っちゃ当然)
あの状態の中での冷静さ。何か特別なメソッドでも積んでいたのかしら。。。
水と少しの食料しかないから、わずかなもので満腹にするために飲食する時は頭で美味しいものを食べてることを想像してお腹いっぱいにするいわば”バーチャルEating”をする、気分を高揚するようにイメージする…危機の中で生き抜く知恵がハンパないんです。
私、実はさすがにあのシーンは見ませんでした、見れませんでした。
声を聞いてるので精一杯。
貧血になりそうでしたよー、ほんと。
自分だったら、あの状況を何時間耐えられるか?
そして、生き残る為にああいう行為を思い立ち実行できるか??
127時間なんて絶対ムリでしょうね…24時間だって多分、気がめいって「死」とか「恐怖」の方にばかりに思考がいってしまうだろうな。
朝、同じ時間に必ず現れるワタリガラスに「Hey!!」って呼びかけるところが寂しくて切ないです。
アーロンばかり褒めちぎってたことに気がつきました、ジェ—ムズ・フランコの演技なしではこの名作は生まれなかったでしょう。ほとんどフランコと岩場しか出てこないんですからねぇガーンネコ
この一件の後も登山家を続けているんだから、これまた凄い方ですわ
自分なんかよりずっと若い人たちに見てほしいです、人生観が変わると思います。名作です。


2014/03/01

「エージェント:ライアン」ー ある意味、期待を裏切らない作品...かも?!

jack-ryan-shadow-recruit.jpg

またも妹さんと(って誰の妹やねん!実の妹デス…)観てまいりました。
実は、あらかじめ頭の中ではこんな感じなのかなぁって自分なりのどちらかといえばティピカルな「エージェントライアン」が組み立ててあったんだけれど、まさに裏切られませんでした。

ストーリー

ジャック・ライアン(クリス・パイン)は、表向きはウォール街の投資銀行でコンプライアンスを務めているが、実は世界を動かす経済界の不審な資金の流れを探るCIAのアナリストだった。天才的な分析力と国際経済への深い知識を持つライアンをCIAに採用したのは上官のハーパー(ケビン・コスナー)だ。ある日ライアンは、モスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不穏な動きに気付く。グループの持つアメリカ財政を左右するほどの巨大な外貨口座へのアクセスを拒否されたのだ。通常は、報告のみで任務完了だったが、今回は何故か現場経験の全く無い、デスクワークのライアンが現地に出向くべきだと主張するハーパー。

チェレヴィン・グループに監査のアポを取り、モスクワの空港に降り立つライアンを迎えたボディガードが、ホテルで突然銃を向けてきた。ライアンは壮絶な死闘を制したが、人を初めて殺した事に激しく動揺し、CIA本部に電話で規定違反の指示を仰ぐのだった。指定場所へ行くと、いつモスクワに入ったのか、ハーパーがいた。ライアンは彼の不審な態度に疑念を抱きながらも事態を報告。アメリカ経済破綻を狙うチェレヴィンの企みが成功すれば、世界は数週間で恐慌に陥るだろうと。ハーパーは、ライアンに拳銃を渡し、「君はもうただのアナリストではない。エージェントだ」と通告し、証拠を掴むよう指示する。(以下 省略)


��「エージェント・ライアン」公式サイトより)

キャスト
クリス・パイン - ジャック・ライアン
ケネス・ブラナー - ヴィクトル・チェレヴィン
キーラ・ナイトレイ - キャシー・ライアン
ケビン・コスナー - ウィリアム・ハーパー
コルム・フィオール
デヴィッド・ペイマー - アメリカの外交官

スタッフ・映画情報
監督     ケネス・ブラナー
脚本     アダム・コーザッド、デヴィッド・コープ
キャラクター原案     トム・クランシー
製作     ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ、メイス・ニューフェルド、デヴィッド・バロン、マーク・ヴァーラディアン
製作総指揮     ダナ・ゴールドバーグ、トミー・ハーパー
音楽     パトリック・ドイル
撮影     ハリス・ザンバーラウコス
編集     マーティン・ウォルシュ
製作会社     パラマウント映画、スカイダンス・プロダクションズ
配給     パラマウント映画
公開     2014年1月17日(アメリカ)
           2014年2月15日(日本)
原題     Jack Ryan: Shadow Recruit

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まずはライアン役のクリス・パインですが、CIAのメンバーでしょ?わたし的にはもっと破天荒さとか今までと違う面白い要素が加わってもいいと思うんですよ。コメディアンかなんかをライアン役に使ってみたり....型にはまり過ぎてますよねー?
もっと愛嬌がある人がいいかなーって感じ...主人公であり、ヒーローでありながら見た後印象に残らない。
うーん。
キーラ・ナイトレイも
「あれぇ?これは何か隠しているような目だな。」
って部分があったんです。もう少しなにか「えぇぇぇ!!!!」って方向に動くと期待させておきながら…もうっ。
申し訳ないですが私、途中で意識が遠のいて別な世界にワープ眠たい してて少しお話が進んでいたんです、不覚にも。5分くらいだと思いますけど。。。寝不足だったってこともあります、多分。
終始期待を裏切ることもなく、別な言葉を使えば素直な作品ですね ふぅ~ん
このジャック・ライアンものは、FOXテレビあたりでドラマにすればいいんじゃない?って思いました。
jack-ryan1.jpg
けなしているわけではなく、あくまでも私個人の感想です。(TV画面の隅に出る小さな注意書き的な文言を追記しとこ)
「ホワイト・ナイツ ー白夜 ー」のミハイル・バリシニコフ、出てませんでした?
気のせいかな。。。

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