My Cinema Talk World: アイ ウォント ユー(I Want You)ー コステロの曲名がピッタリハマってる映画

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2013/06/16

アイ ウォント ユー(I Want You)ー コステロの曲名がピッタリハマってる映画


レイチェル・ワイズが好きな方は一度は見ておいたほうがよいし、若きアレッサンドロ・ニヴォラもステキでございます。
映像と音で表現している感覚で見る作品大好きなのです、私。

キャスト
アレッサンドロ・ニヴォラ(マーティン)
レイチェル・ワイズ(ヘレン)
ルカ・ペトルシック(ホンダ)
ラビナ・ミテフスカ(スモーキー)

スタッフ
監督: マイケル・ウィンターボトム
脚本: エワン・マクナミー
製作: アンドリュー・イートン
撮影: スワヴォミール・イジャック
公開: 1998年10月30日(イギリス)1999年1月15日(日本)
原題: I Want You



マイケル・ウィンターボトム監督作品の例にもれず歪んだ偏執的な世界を描いた物語です。
ワケあり美人美容師のヘレン(レイチェル・ワイズ)が少年ホンダ(ルカ・ペトルシック)と不意に出会う。
その時からヘレンに想いを寄せはじめる14歳のホンダは母親の自殺現場を目撃してから一切の言葉を発しなくなっていた。
彼はクリスチャンでありながら誰とでも寝る奔放かつ弟想いの姉と暮らしていた。
ある日、ヘレンの元カレ マーティン(アレッサンドロ・ニヴォラ)が刑期を終えて海沿いの町に戻ってくる。
彼を避けるヘレンに執拗に逢いたがるマーティン。
4人が出会い何かが動き出す...ヘレンがマーティンと再会してから、再び負の連鎖と新たな悲しみがうまれるとでもいうべきか。
ヘレンがマーティンと出会い関係を持った年がちょうどホンダ少年の年齢と同じ14歳。
マーティンが服役していた理由...2人の関係を目撃したヘレンの父親ともみ合いになり誤って殺してしまったのです。
レイチェル・ワイズが「今が旬」とばかりに美しい。
セクシーなシーンもあるしで彼女のファンにはたまらない映画だと思います。
登場する男女のフェティシズムとどこか抑圧的でねじれた感情を表現する本作はエルビス・コステロの「I want you」のリフレインがピッタリはまっています。
出だしはしっとりとメロディアスに愛する人に捧げる風に感動的に始まりつつ相手を酔わせるけれど、あまりにも執拗な「I want you」の繰り返しにだんだんうんざりしてしまいそう、そこまで繰り返さなくてもいいんじゃないの?
「きみが欲しい」ばかり延々繰り返されたら気が変になりそう...恋に落ちたヘレンがマーティンの執拗さにうんざりしていくように。
ウィンターボトム、ナイス選曲ですっ!
ホンダが映り込む風景はフィルターがかかったようなくすんだ黄色みがかった特有の色合いで美しい。



ホンダが住む海岸近くの美しい風景は、イギリス南部のダンジェネスでロケされたそうです。(故 デレク・ジャーマンのプロスペクト・コテージがある場所)
また、声を発しないかわりに音に執着するホンダ少年が愛用する音響製品や登場する車が日本製であることなどチェックして見ても面白いです。
中二病とはよくいいますが、14歳で年上の男と恋に落ちたヘレンと年上のセクシーな女性に想いを寄せるホンダもそうだったのかもしれない…
この映画、よくクライム・サスペンスとジャンル付けされたりしていますが、なんとなく違っているかな。人間のセンシティブな部分、深層心理を描いた作品だと思います。
悪い行いをすれば最後には必ずその報いをうけなければならないという教訓も暗に含まれている気がします。
ストーリー重視で映画を見る方は面白みを感じないかもしれません。


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