My Cinema Talk World: 8月 2017

作品インデックス

2017/08/27

愛を読むひと ― “文盲”であるための恥


戦争を背景に自分を貫き通したヒロインを描いた秀作


ずっと見たかった映画です。
ケイト・ウィンスレットが驚くほど痩せています。
最初は、ニコール・キッドマンがハンナ役で撮影に入るも妊娠が発覚し、降板しました。
第81回アカデミー賞で、ケイト・ウィンスレットが見事主演女優賞を受賞しています。

愛を読むひと(原題: The Reader)

監督: スティーヴン・ダルドリー / 製作年:2008年


ハンナ:「エッチは本を読んだあとで...ね!」

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ストーリー
1958年のドイツ。15歳のマイケルは偶然出会った年上のミステリアスな女性ハンナに心奪われ、うぶな少年は彼女と彼女の肉体の虜となっていく。やがて度重なる情事のなかで、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読することがふたりの日課となる。ところが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。たまたま傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席に座る彼女を見てしまったのだ。裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは隠し続けようとしていることに気づく。その秘密を知るただ一人の者として、マイケルは葛藤し、答えを見い出せないまま苦悩を深めていくのだが…。
allcinema より)

キャスト
    ケイト・ウィンスレット / ハンナ・シュミッツ
    レイフ・ファインズ / マイケル・バーグ
    デヴィッド・クロス / 青年時代のマイケル・バーグ
    レナ・オリン / ローズ・メイザー、イラナ・メイザー
    アレクサンドラ・マリア・ララ / 若き日のイラナ・メイザー
    ブルーノ・ガンツ / ロール教授

スタッフ・作品情報
監督:    スティーヴン・ダルドリー   
製作:    アンソニー・ミンゲラ    シドニー・ポラック   
    ドナ・ジグリオッティ    レッドモンド・モリス   
製作総指揮:    ボブ・ワインスタイン    ハーヴェイ・ワインスタイン   
原作:    ベルンハルト・シュリンク    『朗読者』
脚本:    デヴィッド・ヘア   
撮影:    クリス・メンゲス    ロジャー・ディーキンス
音楽:    ニコ・ムーリー
原題:    THE READER

マイケル15歳、ハンナ30代前半。年の差カップル

2017/08/20

ミスト ― ラストの後味の悪さはピカイチ


宗教か信念か?! 閉塞状態に陥った人間の有様。あり得ないラストに絶句


「ミスト」初めて見ました。
たまたま、つけたFOXムービーで偶然に一場面みて面白そう…ってことで。
あれ、スティーヴン・キング原作かぁって感じで見始めて、あっという間に信じられない展開になっていきました。

ミスト(原題: The Mist)

監督: フランク・ダラボン / 製作年:2007年

ストーリー
田舎町を激しい嵐が通り過ぎた。
その翌日デヴィッド(トーマス・ジェーン)と妻ステファニー(ケリー・コリンズ・リンツ)は湖の向こうに見える異様な霧を眺めながら不気味さを感じる。
デヴィッドは息子ビリー(ネイサン・ギャンブル)と2人でスーパーマーケットへ買い出しに出掛ける。
さっき見た濃い霧はほどなく客でごった返すマーケットにまでやってきて、やがて町全体を覆っていた。
霧を目の前に人々がマーケットに缶詰状態になっている最中、デヴィッドは霧の中に不気味な触手生物を発見する。
彼の話を聞いた人たちは店の中からバリケードを作ったり武器になる物をかき集める。
一方、スーパーマーケットに来ていた骨董品店の女主人カーモディは狂信めいた言葉で周囲の不安を煽りたてるのだった。
その夜、とうとう霧の中の生物たちが襲撃し、店内は大混乱になる...

キャスト
トーマス・ジェーン/   デヴィッド・ドレイトン
マーシャ・ゲイ・ハーデン/   ミセス・カーモディ
ローリー・ホールデン/   アマンダ・ダンフリー
アンドレ・ブラウアー/   ブレント・ノートン
トビー・ジョーンズ/   オリー・ウィークス
ウィリアム・サドラー/   ジム・グロンディン
ジェフリー・デマン/   ダン・ミラー
フランシス・スターンハーゲン/   アイリーン・レプラー
アレクサ・ダヴァロス/   サリー
ネイサン・ギャンブル/   ビリー・ドレイトン
クリス・オーウェン/   ノーム       

スタッフ・作品情報
監督:    フランク・ダラボン   
製作:    フランク・ダラボン    リズ・グロッツァー   
製作総指揮:    リチャード・サパースタイン    ボブ・ワインスタイン   
ハーヴェイ・ワインスタイン   
共同製作:    デニース・ハス   
原作:    スティーヴン・キング   
『霧』(扶桑社刊『スケルトン・クルー1 骸骨乗組員』)
脚本:    フランク・ダラボン   
撮影:    ロン・シュミット
編集:    ハンター・M・ヴィア   
音楽:    マーク・アイシャム
公開:    2007年11月21日(アメリカ)
             2008年5月10日(日本)
原題:The Mist

2017/08/16

ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情 ― 男と女は根本的に別な生物である


ジェームズ・マカヴォイとジェシカ・チャステインが演じきった男と女それぞれの生きづらさ


Huluで「ラブストーリーズ コナーの涙」鑑賞している途中で、急に思い出す...DVDを購入して未見のまましまってあったことを ――
「コナーの涙」「エリナーの愛情」そしてこの2本を編集して、1本にした作品をDVDで視聴。
計3本を一気見しました。

ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情(原題: THE DISAPPEARANCE OF ELEANOR RIGBY: HER/HIM/THEM)

監督: ネッド・ベンソン / 製作年:2013年

ストーリー
最愛の子どもの死をきっかけに互いの心がすれ違い、やがて別れを決断したカップルが、再生へと向かう紆余曲折の道のりを、男女それぞれの視点から捉えた2つの作品で描き出した異色作。本作はその男編。主演は「つぐない」のジェームズ・マカヴォイと「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステイン。監督は、これが長編デビューのネッド・ベンソン。
ニューヨーク。ある日、アパートから妻エリナーの姿がなくなっていた。小さなレストランを経営する夫のコナーは、幼い我が子を失った悲しみを2人で乗り越えようと腐心してきた。しかし、エリナーの気持ちを量りかねる日々に苦悩は深まるばかりだった。やがて彼女が大学に通い出したことを知り、ようやく再会を果たしたコナーだったが…。
allcinemaより)

キャスト
    ジェームズ・マカヴォイ/    コナー・ラドロー
    ジェシカ・チャステイン/    エリナー・リグビー
    キアラン・ハインズ/    スペンサー・ラドロー
    ビル・ヘイダー/    スチュアート
    ニナ・アリアンダ/    アレクシス
    ヴィオラ・デイヴィス/    フリードマン教授   
    ウィリアム・ハート/    ジュリアン・リグビー   
    ジェス・ワイクスラー/    ケイティ・リグビー   
    イザベル・ユペール/    メアリー・リグビー
       
スタッフ・作品情報
監督:    ネッド・ベンソン   
製作:    カサンドラ・クルクンディス   
    ネッド・ベンソン   
    ジェシカ・チャステイン   
    トッド・J・ラバロウスキ   
    エマニュエル・マイケル   
製作総指揮:    カーク・ダミコ   
    ブラッド・クーリッジ   
    メリッサ・クーリッジ   
    キム・ウォートリップ   
    ジム・ケイシー   
    ピーター・パストレッリ   
脚本:    ネッド・ベンソン   
撮影:    クリストファー・ブロヴェルト
編集:    クリスティーナ・ボーデン   
音楽:    サン・ラックス
公開     2014年10月10日(アメリカ)
           2015年2月14日(日本)
原題: The Disappearance of Eleanor Rigby: HER/HIM/THEM

2017/08/12

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド ― 油(オイル)が噴き出す、血が流れる !!

タイトルのフォントが宗教(聖書)っぽくて良いです

終始流れる不穏な空気にドキドキ。絶句する大団円


ポール・トーマス・アンダーソン の「ハードエイト Sydney (1996)」「ブギーナイツ Boogie Nights(1997)」に続く“連れ人シリーズ” 第三弾。
勝手に“連れ人シリーズ”なんて名前つけちゃいまいたが ―― 
この後、このシリーズは「ザ・マスター The Master (2012)」へと続くわけです。
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は、高く評価され各映画祭で監督賞、主演男優賞、撮影賞、作品賞と各賞を総なめにしています。


ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(原題: There Will Be Blood)

監督: ポール・トーマス・アンダーソン / 製作年:2007年

ストーリー
20世紀初頭。一攫千金を夢見る山師の男ダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)。孤児を自分の息子H.W.(ディロン・フリーシャー)として連れ歩く彼は、ある日ポール(ポール・ダノ)という青年から自分の故郷の土地に油田があるはずだとの情報を得て、西部の町リトル・ボストンへと向かう。そして、すぐさま土地の買い占めに乗り出す。そんな中、ポールの双子の兄弟で住人の信頼を一手に集めるカリスマ牧師イーライ(ポール・ダノ)が、ダニエルへの警戒を強めていく。
allcinemaより)