My Cinema Talk World: ゴーストワールド ー シュールでもの哀しい不思議な世界

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2014/01/26

ゴーストワールド ー シュールでもの哀しい不思議な世界



だいぶ前に(7、8年前かなぁ)「The World of GOLDEN EGGS」(ザ・ワールド・オブ・ゴールデン・エッグス)というアニメが流行って録画しながらいつも大笑いしながら観ていました。結局DVD全巻そろえちゃったりしてすごくハマりました。そのアニメのキャラクターにリサ&レベッカという女の子たちがいましたがレベッカのモデルになったのが「ゴーストワールド(2001)」に出てくるソーラ・バーチが演じるヲタク系女子のイーニドなのです。私、実はゴールデン・エッグスを観ただいぶ後に知ったのですが確かにキャラがそっくりです(笑)

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ゴーストワールド(原題: Ghost World)

監督:テリー・ツワイゴフ / 製作年:2001年


レベッカはバナナシェイクが好きだったけれど、イーニドはバナナシェイクを知らなかったり...仲良し2人組なのに、よく見ると格差がある、そんなところも笑えるし社会の歪みを感じます。
ゴールデン・エッグスではターキーヒルズという町が舞台でしたが、この映画では町の名前までは出てきません。
イーニドの親友レベッカを演じるのがスカーレット・ヨハンソン。
2人ともかなりのグラマラスばでぃなんですよね。
で...あのお方も出るんですよ、大好きなMr.ブシェミときめき
その上、今は亡きブラッド・レンフロがまたまた気の弱いいじめられっ子役で、いつもイーニド&レベッカにかまわれ、コンビニの店長に怒られたり挙げくはさえない中年オヤジ(スティーブ・ブシェミ)に喧嘩を売られたり、ほんとかわいそうな男の子です。

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ストーリー
ロサンゼルス郊外の退屈な町に住むイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は幼馴染みで高校を卒業したら一緒に住む約束をしていた。卒業後、出会い系広告に名前を載せていた男をからかい半分にダイナーに呼び出す。男の名前はシーモア。彼はブルース・レコードのコレクター(ヲタク)でイーニドと同じく世間に馴染めずにいた。イーニドは少しずつシーモアと親しくなっていく。
レベッカはコーヒーショップで働き始めるが、働きながら一人暮らしをしようとする彼女と、なんとなく世の中に馴染めないイーニドは段々とすれ違っていく。

キャスト
イーニド      ソーラ・バーチ
レベッカ      スカーレット・ヨハンソン
シーモア      スティーヴ・ブシェミ
ロベルタ      イリーナ・ダグラス
イーニドの父親      ボブ・バラバン   
ジョシュ      ブラッド・レンフロ
マキシン      テリー・ガー   
ダグ      デイヴ・シェリダン   
ジェラルド      デヴィッド・クロス

スタッフ・映画情報
監督      テリー・ツワイゴフ
脚本      ダニエル・クロウズ
テリー・ツワイゴフ
製作      ジョン・マルコヴィッチ
ラッセル・スミス
リアンヌ・ハルフォン
製作総指揮      ピッパ・クロス
ジャネット・デイ
音楽      デヴィッド・キティ
撮影      アフォンソ・ビアト
編集      マイケル・R・ミラー、キャロル・クラヴェッツ・アイカニアン
公開      2001年7月20日(アメリカ)、2001年7月28日(日本)
製作国      アメリカ合衆国、イギリス、ドイツ
製作費      $7,000,000
興行収入      $6,200,000
原題      Ghost World

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ゴーストワールド
今さら言うのもアレですが。これ、ぜったい的傑作です手
自分の中でも琴線を刺激されまくり涙もこみ上げさせられる「わたくし的カルト映画」だと断言させていただきます。
コミックが原作でキャラクターやファッション、音楽もセンスがいいのです。
が…それ以上に深いものを残しつつ何か考えさせられる実によい作品です。
監督さんは、「Bad Santa(2003)」などのテリー・ツワイゴフ。
もともとダニエル・クロウズのコミック作品を映画化したものです。
製作はなんとジョン・マルコヴィッチなんですよヤッタv
この映画、息子と観ていて 
「で?ゴーストワールドっていったいなんなの?」
って訊かれたんですね、息子に。
でも、結局観る人によってそれぞれの”ゴースト・ワールド”があって説明できないんですね。
特典映像でスティーブ・ブシェミが「映画に出てくる人々が住んでいる場所がゴーストワールドなんだ」って言ってたので息子にはそう説明しておきました。
“社会の歪み” がそうかもしれないし、彼女たちの生きている年代...何者にもなりきれていない時期が”ゴースト・ワールド”なのかも。
それにしても、イーニドとレベッカのキャラが最高できびしいセリフを人々に容赦なく浴びせかけるんだけれどこれが笑っちゃいます、ほんと。
イーニドの無表情がこれまた…ね、アレですよ。

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2人は幼なじみで親友、いつも一緒だけれど実は扱いが全く違う。
イーニドはずっと”ユダヤ人”という差別を受けていてさらに服装からやることなすことエキセントリックだということで周囲から「変人」や「ヲタク」だという偏見の目で見られています。
イーニドに比べればレベッカは”まとも”な普通の人です。
ほとんどの人は2人に話しかけているようで実のところイーニドを無視してレベッカだけに話しかけています。
イーニドの常にかかえているフラストレーション、痛いほどよくわかります。
もちろん彼女が説明するようにその年齢独特のホルモンのせいだともいえるけど。
さえないヲタク中年シーモアの彼女探しを手伝い始める彼女。
自分と同じ人種のシーモアに共感するのは、世の中にとけ込めない彼に無意識に仲間意識を持ちシーモアが受けいられないことで自分までも否定されていると感じたのでしょう。そして彼を通して自分の将来をみているのかもしれない。
彼の恋愛がうまくいったらいったで面白くない、レベッカと同居するつもりだったものの、普通の感性の彼女に違和感を覚え始めてだんだんすれ違うようになっていく。
そうなると自分だけこの世界で浮いた存在、孤独な人間だと思えてくるんですね。
徐々にシーモアや自分を客観視するようになってきます...そう、成長したんです。
路線廃止になったバスを常に待ち続ける老人のエピソード、そしてなぜか来るはずのないバスはある日やってきて ―― ラストがこれまたよいですねぇ、深いんです、最後が。

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しかし無表情でつるんとした顔のイーニドを完璧に演じ切っていたソーラ・バーチの存在感たるや凄すぎます。私、彼女と初めて出会ったのが劇場に見に行った「Dear フレンズ(原題 Now and Then)」(ここで言わせてもらいます、是非DVD化して下さいポロリ)なのですが、その頃はむしろ彼女よりもクリスティーナ・リッチとかギャビー・ホフマンの方にばかり目がいっていました。
「アメリカン・ビューティ」でもね、それは言わずもがなですね。そして現在31歳なんですね、ソーラ。
イーニドに共感し、彼女の気持ちが手に取るようによく理解できるのは彼女と似ている部分を持っていたからなのかな...私。
おかしくて笑ってしまったのがイーニドが髪を緑色に染めた時「シンディ・ローパーか、お前はゆう★」みたいなこと言われてたけど、私も別にメイクとか髪の毛を染めてたわけでもないのに若い頃「シンディ・ローパーに似てる」って何回か言われたことがありますアセアセ
要はやること、言うことがいつも突拍子がなかったからからなんです冷や汗
ブラッド・レンフロもいじめられっこの脇役だったけど、相変わらずいい仕事してたし、スティーブ・ブシェミ、困った顔がいいよね、やっぱニコッ
オープニングのこの曲が絶対はまりますよーーーーん♪





ヲタクな中年男、シーモアのもう一つの顔...笑




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