My Cinema Talk World: 64(ロクヨン)− 2016 / 昭和に取り残された人々の顛末

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2017/04/02

64(ロクヨン)− 2016 / 昭和に取り残された人々の顛末


昨日、WOWOWで前後編が一挙放映されていたので、かなり期待しながら見ました。

64(ロクヨン)

監督:瀬々敬久 / 製作年:2016年

キャスト・スタッフ

佐藤浩市 - 三上義信
綾野剛 - 諏訪
榮倉奈々 - 美雲
夏川結衣 - 三上美那子
瑛太 - 秋川
窪田正孝 - 日吉浩一郎

原作 - 横山秀夫『64(ロクヨン)』
監督 - 瀬々敬久
脚本 - 久松真一、瀬々敬久


因習化した権力の構図は常に腐蝕しきっていて、それが日本の社会をダメにするものだとあらためて納得。
自然に今現状おきている時事ニュースに置き換えてしまいます。
ここでいう権力とは日本の警察機構で、対立するのが記者クラブ。
警察と記者クラブの間で揉まれまくるのが、三上(佐藤浩市)率いる広報室。
たった7日間でおわった昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件を発端に、被害者と事件に関わった人々の人生が大きく変わってしまう群像劇です。
一方、権力は人の生死や顛落などおかまいなしに悪しき因習に乗っかって回り続ける、その非情さに腹立たしさをおぼえます。

前編は発端となる女児誘拐殺人事件が起き被害者が無惨にも遺体で発見されるも、その後捜査は進まず。展開は見られません。
描かれるのは14年の残酷な時の流れ。とにかく暗く重々しく胃もたれが...。
見る側としては「犯人探し」と新たな進展を期待するところですが、そこからは大きく外れて三上と被害者の女児の父親 雨宮(永瀬正敏)にスポットがあてられます。
それとは別の事件...主婦が起こした交通事故をめぐって三上が所属する広報室と記者クラブの対立していくさまも戦々恐々で見ているのがつらい。
まるでその場にいるように、耳がキンキンしてきます。
やがて、ロクヨンに似通った誘拐事件が起きる...ようやく前編のラスト。

後編は、新たな誘拐事件を追いながらロクヨンの謎も解けて行きます。
誘拐事件の父親同士の私怨の絡み合い、新たな事件はロクヨンと同じように展開していきます。
警察が解決を遂げられなかった風化しつつある事件を、14年もかけて信じられない方法で犯人を見つけ出す雨宮の姿、その執念にグッとくるものがあります。
自分の中の64(ロクヨン)を思い出すシーンもあったり、あのときの異常な雰囲気・空気と報道の在り方を考えてしまう内容でありました。
ロクヨンに取り残されてしまった雨宮、三上そして幸田(吉岡秀隆)らがゆっくりと前進しはじめる。
ようやく雪解けから春へ...というラストは救いがありました。


ここでそれぞれの64(ロクヨン)=1989年を振り返ってみましょう

ちょっと面白いかなぁと出演者のそれぞれのロクヨン(=1989年)を紹介してみます。

◆ 佐藤浩市(29歳)

映画「社葬」出演(1989年 監督 東映)


◆ 吉岡秀隆(19歳)、緒形直人(22歳)

フジテレビ ドラマ「北の国から ‘89帰郷 」出演
  
◆ 三浦友和(37歳)

映画「悲しきヒットマン」出演(1989年 一倉治雄 監督 東映)

◆ 永瀬正敏(23歳)

映画「ミステリー・トレイン Mystery Train (1989年 ジム・ジャームッシュ 監督)

ちなみに、筆者のロクヨン直後...
1989年1月末にインフルエンザで42度の高熱にうなされ、プリンスのLovesexyツアー仙台公演を泣く泣くキャンセル。
熱も7度台に下がり、2/4、2/5 東京ドーム 2日間は無事行くことが出来ました。

余談になりますが、佐藤浩市さんと奥田瑛二さんのメイクが黒過ぎるのが気になりました。(顔と首の皮膚の色の差が...)
それと...綾野剛と瑛太の演技が素晴らしかったですわ!


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