ある事件の手配写真で崩れていく信頼関係
人を信じることの難しさ
全くつながりのない人たちと3つの場所 ―― 東京 沖縄 千葉。
その中の誰か1人が殺人事件の犯人かもしれない。
それぞれのストーリーが展開される群像劇。
再び、WOWOWシネマ『妻夫木聡が観たい!』特集で鑑賞しました。
怒り
監督: 李相日 / 製作年:2016年
ストーリー八王子郊外で若い夫婦が自宅で惨殺され、犯人は逃走した。1年後、房総、東京、沖縄に身元不明の3人の男がそれぞれ現れ、訝られながらも次第に周囲に受け入れられ、それなりの人間関係が作られていく。ある日、警察が八王子事件の犯人の整形手術後のモンタージュ写真をテレビ番組で公表したのをきっかけに、それぞれの人間関係に揺らぎが生まれはじめる。(wikipedia)
キャスト
千葉
槙洋平 - 渡辺謙
槙愛子 - 宮崎あおい
田代哲也 - 松山ケンイチ
明日香 - 池脇千鶴
東京
藤田優馬 - 妻夫木聡
大西直人 - 綾野剛
藤田貴子 - 原日出子
薫 - 高畑充希
沖縄
田中信吾 - 森山未來
小宮山泉 - 広瀬すず
知念辰哉 - 佐久本宝
その他
南條邦久 - ピエール瀧
北見壮介 - 三浦貴大
早川 - 水澤紳吾
スタッフ・作品情報
監督: 李相日
脚本: 李相日
原作: 吉田修一
製作: 市川南
音楽: 坂本龍一
撮影: 笠松則通
製作会社: 東宝映画
公開: 2016年9月17日
東京 ― 妻夫木聡の演技力に注目! |
原作 吉田修一 監督 李相日の「悪人」コンビ再び!
俳優陣の中には、妻夫木聡。
今回はゲイの役で、最近めっきり演技の幅を広げている。
そのほかにも、豪華俳優陣が勢ぞろい ―― 渡辺謙、宮崎あおい、綾野剛、森山未來、広瀬すず...といった顔ぶれ。
みんな存在感がある演技が素晴らしくて、まさしく演技合戦。
千葉 ―宮崎あおいの表現力はすごい! |
群像劇の手法を考えたとき、進行中のロケーションの切り替わり方が海外作品で見てきた既存の手垢のついた手法という印象も否めない。
3つのストーリーをバラバラで見るとよく作り込まれていて、各々の想いは伝わってくる。
しかし、なぜだろう ――
全体として一本の映画としての纏まりに欠けていて、どことなく伝わってくるものが希薄というかスキを残しているというか ―― 落とし所が弱い印象を受けた。
各ロケーションを結びつけるのが森山未來、松山ケンイチ、綾野剛にどことなく似ている指名手配写真というのがが姑息なのか。
その写真によってに信頼関係がぐらつき出し、築きあげた人間関係が一気に崩れていく ―― 3つのストーリーともに。
そこが、なんとなく画一的なのだろうか。
人を信じることの難しさのようなものが描かれているんだとは受け取れたが。
沖縄 ―沖縄という土地についても考えさせられるところ |
「怒り」というタイトルの意味を考えた時、あの壁に描かれただけのあれだけならば、やっぱり物足りないし十分伝わってこない。
個々の俳優たちについては熱演で日本を代表する演技者たちの競演だ。
特に宮崎あおい、妻夫木聡、綾野剛が素晴らしい!
その中でも、さらに光っているのが宮崎あおいだ ――
私の中では今まで何の関心もなかった女優さんだが、一気に順位が上位に跳ね上がった。
0 件のコメント :
コメントを投稿