前から観たくて観たくて日本でDVD化されないか待っていましたが、時間が刻々と過ぎて行くばかりなので北米版ブルーレイを購入してみることにしました。
クリスタル・フェアリー(原題:Crystal Fairy & the Magical Cactus)
監督:セバスティアン・シルバ / 製作年:2013年
本作の監督はチリの鬼才セバスティアン・シルバ。
代表作「家政婦ラケルの反乱 ( The Maid 2009 ) 」「マジック・マジック(Magic Magic 2013)」も観たいと思っていたもののこちらも日本ではDVD発売なくて、残念orzって思ったら「マジック・マジック」は来年日本でもDVDが出るそうです。
主演は「JUNO」のマイケル・セラ。タイトルにもなっているクリスタル・フェアリーを演じるのは「フィールド・オブ・ドリームス(1989)」でケビン・コスナーの娘、「Dearフレンズ(1995)」でデミ・ムーアの子供時代を演じたギャビー・ホフマン。
彼らと旅する3兄弟はセバスティアン・シルバ監督の実際の兄弟たちです。最初の方のシーンでは監督のセバスティアン・シルバも出演しています。
さて、「クリスタル・フェアリー」ですが、とにかく自分の好みの映画でした。youtubeで予告を観ただけなのですが「これ、自分好みかも。。。」って漠然と思っていた勘は当たりでした。やっぱり自分の好みの作品ってちょっとした場面を見ただけで自然に引き寄せられるものなのですね。
子役時代のギャビー・ホフマン
ストーリー
チリを訪れたアメリカ人ジェイミー(マイケル・セラ)は、メスカリン(強烈な幻覚作用を持つサイケデリック麻薬)を含むサボテン「サン・ペドロ」を手に入れてそのトリップ感覚を試すために、チリ人の悪友3兄弟と共に砂漠へ旅に出る。その途中、「クリスタル・フェアリー」と自称する謎のアメリカ人女性(ギャビー・ホフマン)に出会う。ジェイミーは、ハッパと酒の勢いで彼女も一緒に連れて行くことになるのだが。
キャスト
ジェイミー:マイケル・セラ
クリスタル・フェアリー:ギャビー・ホフマン
フアン・アンドレス・シルバ:チャンパ
ホセ・ミゲル・シルバ:レル
アグスティン・シルバ:ピロ
スタッフ・作品情報
監督:セバスティアン・シルバ
製作:パブロ・ラライン
原題:Crystal Fairy & the Magical Cactus
製作年:2013年
製作国:チリ
ジェイミーの自己中心で意固地な性格とクリスタル・フェアリーの大胆さと人間放れしたあけっぴろげさが反発し合って気まずい空気が流れる...けれど、ラストは。。。
そうそう。この映画をジャンル分けすれば私が大好きなロード・ムービーの部類です。設定や作中の開放感はアルフォンソ・キュアロンの映画で「天国の口、終りの楽園」を彷彿させます。(男の子2人と人妻1人の目眩く要素もありの…でした。)
本作は男4人と女1人の旅ですが、目眩かないんですね、なぜか。
クリスタル・フェアリーがあまりにもエキセントリックすぎるあまり、圧倒されて男全員が顔を見合わせてシラ~っとしたりドン引きしている光景がところどころに出てきて、これまた実にに面白い!ラテン男子もあんな表情する時あるのかよーって、笑っちゃいます。
なりゆきで同じ部屋に泊まることになった5人。
「ちょっとシャワー浴びてくる。」って浴室に入って行って出てきたら、何事もないようにしれっーと素っ裸で脇毛のみならず下の毛丸見えで普通に会話してる彼女の姿にみんなドン引きですよ。
ジェイミーが「クリスタル・へアリー」とか言って彼女をからかったりして。自分が勝手に誘っておきながら、だんだん彼女のテンションがウザくなってくるジェイミー。
思い通りにいかずにキレまくったりしながら四苦八苦の末に目的の1つであるサボテンを半ば泥棒した形で手に入れます。自分勝手な性格なのでよくキレるのですよ、ジェイミーくん。
サンペドロっていうサボテンは日本で言えば、庭の植木のようにチリでは家庭の庭に普通に植えてあるのですが、なぜでしょう?ジェイミーが「そのサボテン売ってくれない?」ってお願いしても一様に「ダメ!」って断ってくるんですよね。アメリカ人の若造が上から目線で迫るからなのかな。
メスカリンが含まれているってことで売買すると罰を課せられるのかな…ボリビアだかどこかではそんな法律ができたってきいたことがあります。
で、海に着いてみんなで愉しもうってワイワイやってるのにジェイミーだけ旅を愉しむこともせずに必死にサボテンを切り刻んで煮だしているわけです。
ジェイミーは変なこだわりに捕らわれているがために今の状況を愉しめない堅物モノなのです。
その逆の人間であるクリスタル・フェアリーは自分以外の人たち、人間以外の自然とまでも心から繋がりたいという想いを持っていて、時々立ち入った面倒な話をしはじめるとジェイミーがあからさまに嫌悪感丸出しにする。彼女が人前で素っ裸になるのもOpen Mindがためなのです。
ついにジェイミーはメスカリンのトリップを経験し…何か内面的に変化していくことになります。そんな時クリスタルは岩場で(またまたでたー! )素っ裸になり…
さすがに「おおぉ〜!こんな場所でもかよーーー!!」っておののきましたねぇ^^;
最初は男たちものけ反らんばかりでいたのにラストではクリスタル・フェアリーを思わず抱きしめたくなってしまう…わたくしも不覚にもうるっとさせられました。
トリップしたときの映像とあの音楽が最高!!!
マイケル・セラ、相変わらず何考えてるかわかんないっぽい表情がいいね。
セバスティアン・シルバ監督の実際の経験を映画にしたそうで、ついでに劇中ジェイミーがトイレで流れなくて苦戦していたウ○チは監督の身体から出た本物を使ったそうです^^;
手持ちカメラで撮影された映像は若者たちの開放感溢れる旅を一緒に味わっている気分にさせてくれる素敵な映画で観た後すっきりと気分が軽くなるよい作品でした。
ラテンのノリと雰囲気、やっぱいいね♪
クリスタルのような何も恐いものなしの性格で生きられたらいいなって思いましたね…嫌いな人も頭っから「嫌いなヤツだから」って壁をつくらずに接してみるとよいかもね。