My Cinema Talk World: LIFE! ー もう紋切り型の褒め言葉などいらない!!!

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2014/03/19

LIFE! ー もう紋切り型の褒め言葉などいらない!!!

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ここのところ、DVDの観賞だけではなく直近の劇場公開作品も観ております。
本日は、早速「LIFE!」の感想を書きました。
以前何かを見に行った時、劇場でTrailerを観てから観たい観たいと思っていました。予告編だけでも感動してしまったのです。
音楽と、面白そうなシーンと壮大な景色と…ところが実際観てみると「予告編で想像できるような感動もなく…」ってパターンが往々にしてあります。
さて、この映画はどうだったでしょう?!

ストーリー

ライフ誌で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、空想の世界で同誌の最終号に必要な1枚の消えた写真を探しに冒険へ旅立つ。


��Wiki より)

キャスト
ベン・スティラー - ウォルター・ミティ、雑誌『LIFE』の社員
クリステン・ウィグ - シェリル・メルハフ、ウォルターが想いを寄せる同僚女性
アダム・スコット - テッド・ヘンドリックス、ウォルターの新しいボス
パットン・オズワルト - トッド・マハール、デートサイト『eHarmony』の顧客サービス責任者
ショーン・ペン - ショーン・オコーネル、冒険家、写真家
シャーリー・マクレーン - エドナ・ミティ、ウォルターの母
キャスリン・ハーン - オデッサ・ミティ、ウォルターの妹
ジョーイ・ソルトニック

スタッフ・作品情報
監督      ベン・スティラー
脚本      スティーブン・コンラッド
原作      ジェームズ・サーバー著『虹を掴む男』
製作      スチュアート・コーンフェルド、サミュエル・ゴールドウィン, Jr.、ジョン・ゴールドウィン、ベン・スティラー
音楽      シオドア・シャピロ
撮影      スチュアート・ドライバーグ
編集      グレッグ・ハイデン
公開      2013年10月05日 (ニューヨーク映画祭)
2013年12月25日 (アメリカ合衆国)
2014年03月19日 (日本)
製作国      アメリカ合衆国
原題      The Secret Life of Walter Mitty

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以下、若干のネタバレあります。

本作は1947年の古い映画「虹を掴む男」のリメイクであり、ベン・スティラーが監督し主人公のウォルター・ミティを演じる側でもあります。
さっそく単刀直入にいきますが、予告編よりも素晴らしかった!リアルタイムで観た映画でこんなに感動するのってほんと久しぶりです。
この映画を観た感想で「元気が出る映画」「夢は実現できるんだって考えさせられる映画」って紋切り型の言葉が駆け巡っているのですが、それだけに留まらないです。まずは随所にコメディとかお笑いのスパイスが盛り込まれているんだけれど...特にウォルターの空想シーンね...その部分でテンポが狂ってしまうとか。あと、毎日の単調な生活に籠もりっきりだったウォルターが突然通常だったら経験することのない旅に出るところで「あり得ないだろ!」って思う人が多いかもしれない。私は却ってそこが面白かったです。だいたいにしてあんな過激な想像する人っているかなぁって思うと面白くて笑っちゃいます。ゴム人形のシーンとか憧れのシェリルと結婚後に「ベンジャミンバトンの数奇な人生」みたいな老夫婦になることを思い描く場面とか思い出すだけで吹き出してしまう。デビッド・ボウイの「スペース・オディティ」の弾き語りで背中を押されてヘリコプターに乗り込むシーンがこれまたいい、この曲効果的に使われています、改めて聴き直してしまいましたが今更ながら名曲だと実感しました。
とにかく、なんといっても突拍子もなく旅に出るシーンとその現実離れしたディテールは、あり得ないからこそいいんだし必須なんですね、この映画にとっては。
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いじわるな上司テッド役の俳優もおバカで態度でかい憎まれ役として素晴らしかった。
笑っちゃったのは、カメラマンのショーン・オコネルが火山噴火の写真を撮ってる時のあのシーンです....信じられない、アレ!!
あり得ない夢想シーンと突拍子もない冒険は観る人によっては「興ざめ」という危険を招きかねない。
それにもかかわらず惹き込まれてしまうのは、しっかりと別な「リアリティ」が溢れているから。日々を漫然と安全に生活しているだけの人々(自分を含む)がウォルターのように冒険したいとか別世界をカメラで撮りたいと多くの人が夢見ているからこそ心に響くのだと思います。映画や本で眺めて憧れる映像は自分の手の届かない世界だと思い込みがちだけれど、一歩別世界に踏み出す勇気があれば平凡な自分でも経験可能なんだということ。
嗚呼、実は紋切り型の感想しか言えないは自分なの...とほほ(汗)。
映画の中では現像室という温室に籠りきりのウォルターに一歩踏み出すきっかけを作ってくれたのが、ショーン・ペン演じる写真家ショーン・オコネルなんですね。特別出演って感じの位置なんだけれど、あの存在感とカッコよさは凄すぎるし結構おちゃめ。年を重ねてますます重厚な魅力を発しております。モノクロ写真の中であんなオーラを発しているのにも改めて感動しました。演技だけでなく動かなくても写真家を演じきっていました。あの写真、誰が撮ったのかな、ピンタレストに載せたい。(コレね↙)
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フィルムで撮ることのカッコよさとか意義とか現像が写真家にとってどれほど重要なことかも再認識しました。(ネガをじっと見てたらコダックのトライXを使ってたmoe )自分の作品をつくるために敢て自分の手で現像するカメラマンも結構いますものね。
今までと全く違う場所に飛び込むことで彼の夢想もなくなってきます、目まぐるしすぎてそのヒマもないのでしょうねkyu
ところで下世話な話ですが
いわずもがな「LIFE」って実在の雑誌なんだけれども、映画のエンドロールとかクレジットを見てもとりたてて何もなかった気がするんですけど?どうなんでしょう??ありましたか???
音楽もすごくいいんですよね。先に紹介したデビッド・ボウイのスペース・オディティ(ジョン・レノンっぽいですよね、この曲。ひょっとしてフリッパーズ・ギターとか影響受けてませんか?)
ホセ・ゴンザレスって方の曲も素晴らしい!
あああ~ああ♪あああ~ああ♪って曲。
サントラにはスペース・オディティの”フィーチャリング クリステン・ウィグ バージョン”も納められています。
ラストもちょっと途中で想像ついてしまったんだけれど、見事泣きました。
しかし、ベン・スティラーっていいよね!!
LIFE誌とオールドムービーのリメイクのコラボ、見事に成功でしょう手
LIFEオンラインの写真も眺めてみるといいですよ、歴史に残るショットが見られます。→ LIFEオンライン

で、敢てこちらの動画を貼付けます♪
スペース・オディティ ー フィーチャリング クリステン・ウィグ