My Cinema Talk World: 美容室にて

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2012/04/07

美容室にて



昨日、久々に美容院に行ってきた。
私は美容室というと必ず縮毛矯正するので少なくても3時間は拘束状態。
髪のダメージを少なくする為に今回もトリートメントを一緒にしてもらった。
長時間座ったままの状態のわたくしめも眠気に襲われたり、同じ姿勢での窮屈さという拷問に近い状態ですが、この作業を受け持つ側もかなり大変なものだろう。
大抵は液剤をつけたり、縮毛を伸ばす役目はアシスタントが補助でつくことが多い。
昨日は、アシスタント1人での作業だった。
(途中、別な人員も加わり2人になったが、最終的に離れてしまったのだ)
最初は、眠くてときどきまぶたが下りてしまったりで話題を探す気力もなかったがミラーの中にその作業ぶりを眺めて相変わらず大変な作業だなぁと思った。そのうち鏡を見ている客に気を使って手を動かしながら会話をふってくれた….話題はもっぱら「くせ毛」がテーマだ。
「実はボクもくせ毛なんですよ」
と手際よく液剤塗布作業している彼は言う。
この状況でのこの話題のやりとりはまさにデジャブのようだ。
眼鏡を外しているのでその輪郭しか見えない、が
彼の髪型は美容師らしくちゃんとキマっていると思われた。
「そうは見えないですね。くせ毛を活かしたヘアスタイルでいいですよね。うらやましい」
とぼんやりとしか見えてもいないのに言う。
「くせ毛を活かしたヘアスタイルができるくらいのくせ毛ならいいですね」
と半分実感がこもる、後の半分はもう長年この厄介な髪とつきあってきたから今更という気持ちだ。
「そうですよね…あまり強いと髪型が限られてきますし」
おー、先に言ってくれたか。
しかしながら、彼の接客態度は満点といってよいくらいだと感心した。
客に不快感を全く与えない。
そういえば美容師の接客態度はどんなに若くてもは十中八九しっかりしているものだ。
梅雨時がくせ毛で一番大変なことなど、お決まりの話題をした後に
「昔、私カーリーヘアにしたことがあったんですよ。もう二度とやらないかな」
と言ったら一瞬、おやっと思う間があき
「手入れが大変じゃなかったですか?」
と彼。
私の髪質でカーリーにした姿とか想像して頭の中でふいていたのかもしれない。
自分も爆笑直前の状態になってしまったのだから。
ちびまる子ちゃんで頭の中の妄想で爆笑するシーンがよく出てくるが
そのやりとり以降、私はまさにそんな感じになっていた。
しかも、真剣に吹き出しそうになってもいた。
私がその髪型にしてだいぶたってから、勤務していた会社でかわいがってもらっていた男性が
「みかりん、昔アフロヘアにしたことあったよな」
とある時からお酒が入ると必ずその話題をするようになった。
それは会話が途切れたときの場の気まずさのつなぎに必ず便利に使われている気がした。
「えー?あれはアフロじゃなくて、カーリーヘアですってば!」
それが出ると状況的に私も同じ返しをしなければならなかった、毎回だ。
一昨日、ダンナさまと結婚する前の話などになりその時
「一度、すごい失敗だった髪型があったよな…いや2回か」
と偶然に一瞬カーリーヘアの話題になっていた。
頭の中でカーリーヘアにした時代やアフロヘアと酒の肴にされた空間にワープしていたらなにやらおかしさが増して来て、笑いがどばっーとでてしまいそうだった。
脳内はすっかり笑いの洪水で溢れんばかりの状態だ。
この自分の中の如何ともしがたい状態を断ち切ろうと必死に別な話題を探して
「あ、あと挑戦したヘアスタイルで失敗したのはベリーショートですね」
などと再び自ら自虐の道をチョイスした。
驚かれる前に何か言っておこうと相手が反応する前に
「 ベリーショートは髪型っていうより頭の形も関係してきますからね~」
と再び自虐コース。
薬剤塗布、すすぎを数回繰り返し…カットしてもらい私の髪型は完成した。
合わせ鏡の中の私の後頭部は、少しイメージと違ってはいたがいつも通りに
「いいです。」
と言った。

長時間耐えたり、笑いを堪えた割には今日は久々にかなり割に合わない思いをした。