My Cinema Talk World: ぼくのバラ色の人生 (1997) ー この子を優しく見守ってあげて、お願い!

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2013/12/15

ぼくのバラ色の人生 (1997) ー この子を優しく見守ってあげて、お願い!

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初めてこの作品を観たのは独身の頃でした。(ビデオだったかな、その頃は)
そして今、再びこの作品をDVDで観て自分の中の変化を客観視するに至りかなり驚いておりますゆう★
私は当時「もし、男の子が女の子になりたい願望を抱いても親は好きなようにさせておくべきだ。」という感想を持っていました。
リュドビックにおおいに同情し、リュドの両親はなんて理解がないんだろう、子供の気持ちを一番に考えるべきなのに...と広く大きな心(汗)で考えておりました。

ストーリー・解説
女の子になりたいと願う少年の姿をファンタスティックに描くハートウォーミングなドラマ。
リュドビックは7歳の男の子。彼の将来の夢は、かわいい女の子になることだった。好きな男の子と結婚ごっこをしたり、着せ替え人形で遊んだりと、女の子を意識した遊びを繰り返す。引越した先でリュドビックは、クリスティーナという女の子に出会う。彼女は男顔負けのおてんば娘だった。

(allcinema ONLINE)

Mavieenrose1.jpg
時代が違っていたら親ももっと寛大になれたかも...


キャスト
アンナ・ファーブル      ミシェール・ラロック
ピエール・ファーブル      ジャン=フィリップ・エコフェ
エリザベス      エレーヌ・ヴァンサン
リュドヴィック・ファーブル      ジョルジュ・デュ・フレネ
トム・ファーブル      グレゴリー・ディアト
ジャン・ファーブル      エリック・カザルス・デファベル
ゾエ・ファーブル      クリスティナ・バルゲー
アルベール      ダニエル・アンセンス
リゼット      ロランス・ビボー
ティエリー      ジャン=フランソワ・ガロッテ
モニーク      カロリーヌ・バエル
ソフィ      モルガン・ブルーナ
クリスティーヌ・デルビン      ラファエル・サンティーニ
ジェローム      ピーター・ベイリー

スタッフ・映画情報
監督      アラン・ベルリネール
脚本      アラン・ベルリネール、クリス・ヴァンデール・スタッペン
製作      キャロル・スコット
撮影      イヴ・カープ

公開      1997年5月28日(フランス)
1998年11月7日(日本)
製作国 フランス、ベルギー、イギリス
興行収入      $2,280,573 (アメリカ)、£205,659 (イギリス)
原題      Ma vie en rose

Mavieenrose2.jpg
ほんとに愛らしいリュド💜


うーん....。
解説にある”ハートウォーミング”に描かれているかは疑問ですね、わたし的には。
今、一人の息子を持つ母親としてこの映画を観て「自分がリュドの親の立場だったらどんな態度をとるだろう?」という親目線の見方が加わってもいます。
正直なところ、自分の息子が「女の子になりたい!」なんて言い出したら混乱してしまってどうしていいかわからなくなるかもしれない。
子供がこれから行きていく上で背負う荷物の重さ、周囲からの奇異な視線に耐えられるか?などのリスクを考えれば安易に「好きなように自由に生きなさい」という言葉がすんなり出てこないと思う。
上司や近所との仲が上手く行かなくなって混乱し、感情的になってしまうリュドの両親の気持ちも理解できる。
まだ男とか女がどういうものであるかも理解していない7歳の子供にとって自己を否定され、両親に背を向けられてしまうことの切なさはどれほどのものかを想像するとかわいそうで胸が締め付けられる。
とにかく、今はすっかり親目線になってしまってあの頃のようにリュドに100%同情ができない自分がおります。

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親の在り方の難しさを実感しました


リュドヴィックが憧れている「パムの世界」というテレビ番組の中の主人公・キャラクター、パム。テレビの中だけでなく彼の夢の中のアイドルでもあり天使でもあり、夢の具現的存在です。まるで天国のような極彩色のカラフルな世界に住んでいます。
この番組のオープニングテーマにあわせてリュドが踊るシーンが何度か出てくるのですが、なにやら不思議な踊りです。
番組もどんな人が観るんだろうというような内容。
子供向けの番組にしてはパムの露出がハンパないし...そうかと思えば、ちょっとダサっぽい王子様キャラがでてくる。
最後の方で、無理矢理息子の髪を短く刈り込んでしまう母親とリュドとが見つめ合うシーンが突き刺さりました。
現実社会に無理矢理に押し込めようとする両親と混乱する幼い子供、とても残酷でした。このお話の中でも唯一の理解者はちょっと若作りで頑張っちゃってるおばあちゃんです。(「ぼくを葬る」と同じですね。)
最後に主人公の少年リュドヴィックを演じたジョルジュ・デュ・フレネが「これほどのはまり役がいるだろうかエクステンション」と思えるほどでした。彼以外の配役ではここまでの作品にならなかったでしょう。
かわいらしいし、やっぱり両性的な魅力を持つ子供ですねヤッタv
不思議に髪型ひとつで女の子っぽかったり、最後の方で坊主に近い髪型にされると男の子にみえるし....うーん、やっぱり不思議な子供だわギザギザギザギザ





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