第二次世界大戦中ナチスドイツとソビエトとの不可侵条約でポーランドの国土はドイツとソビエトとに分断されていた時代、シベリアの収容所から脱走する人たちのお話です。原作はポーランド人の口述に基づいて著した書籍『脱出記 シベリアからインドまで歩いた男たち』をピーター・ウィアーとキース・クラークが脚本化したものだそう。
戦争映画、戦時中の話は悲惨でどちらかといえ好きではないのですが、ジム・スタージェスとシアーシャ・ローナンが出演していることもあり半ば興味本位で見始めましたがすっかりのめり込みました。収容所から7人、途中から集団農場から逃げ出した少女1人が加わり瀕死の脱出劇が展開していきます。想像通り、道のりは厳しく全員が無事に目的の地にたどり着くわけはありません。
「ぼくのバラ色の人生」でトーナメント参加中です。
第2回 子役が可愛い映画ブログトーナメント
ストーリー
1939年、ポーランドは国土をナチス・ドイツとソビエト連邦に分割占領された。ポーランド人兵士ヤヌシュ (ジム・スタージェス) は、ソ連占領下地域にてスパイ容疑で逮捕され、ソ連の将校 (ザハリー・バハロフ) に尋問されるが、罪を認めることはしなかった。ヤヌシュは20年の懲役を宣告され、妻 (サリー・エドワーズ) をポーランドに残して、1940年にスターリン体制下のソ連の強制労働収容所へ送られる。
シベリアの収容所での過酷な環境で囚人が次々と死んでいくのを目にしたヤヌシュに、収容所に長くいるロシア人俳優カバロフ (マーク・ストロング) が脱獄話を持ちかける。同じく収容所生活が長いアメリカ人技師ミスター・スミス (エド・ハリス) からはカバロフの話を本気にしないよう言われるが、本気なら付いていくとも言われる。
ヤヌシュは、画家志望のケーキ職人トマシュ (アレクサンドル・ポトチェアン) と夜盲症の若者カジク (セバスチャン・アーツェンドウスキ) というポーランド人二人を仲間に引き入れる。他にラトビア人牧師ヴォス (グスタフ・スカルスガルド) とユーゴスラビア人会計士ゾラン (ドラゴス・ブクル) も仲間に入れ、脱出計画を練る。
脱出直前、ロシア人ヴァルカ (コリン・ファレル) から仲間に入れるようヤヌシュは強要される。ヴァルカは収容所で幅をきかせるロシアの犯罪集団ウルキの一員だが、借金が嵩んで命が危うくなっていたのだ。
こうして寄せ集め集団の彼らは真冬のシベリアに飛び出し、南を目指す。集団農場から脱走した少女イリーナ (シアーシャ・ローナン) もバイカル湖手前から加わり、結束しながら氷点下の世界をひたすら歩く。モンゴルとの国境を超え、ソ連を脱したのを喜んだのも束の間、そこはソ連と密接な関係をもつ共産主義国家だと知る。モンゴルも、その南に位置する戦時中の中国も安泰ではない。それならばと、灼熱のゴビ砂漠、世界の屋根ヒマラヤ山脈を越え、自由を求め彼らはイギリス領インド帝国を歩いて目指すのだった。
��Wikipediaより)
キャスト
ヤヌシュ ジム・スタージェス
ミスター・スミス エド・ハリス
イリーナ シアーシャ・ローナン
ヴァルカ コリン・ファレル
カバロフ マーク・ストロング
ヴォス グスタフ・スカルスガルド
トマシュ アレクサンドル・ポトチェアン
カジク セバスチャン・アーツェンドウスキ
ゾラン ドラゴス・ブクル
スタッフ・映画情報
監督 ピーター・ウィアー
脚本 ピーター・ウィアー、キース・クラーク
原作 『脱出記 シベリアからインドまで歩いた男たち』スラヴォミール・ラウイッツ
音楽 ダーカード・ダルヴィッツ
撮影 ラッセル・ボイド
公開 2010年12月29日(アメリカ)、 2012年9月8日(日本)
製作国 アメリカ合衆国 アラブ首長国連邦 ポーランド
原題 The Way Back
主人公はやはりヤヌシュ(ジム・スタージェス)なのでしょうが、私はすっかりミスター役のエド・ハリスに熱い視線を向けていました。シブいっオーラが出てるんです肌は干からびてるかもしれない、帽子を脱げばハゲているけれど...63歳かぁー、カッコよすぎる
コリン・ファレルも汚れ役(というかここに出てくる人々は見た目はすっかり土から掘り起こしたばかりの芋とかそんなカンジになっています…)ですが演技力がハンパないです、目つきが悪い、歯もスゴい...すっかりジム・スタージェスはこの2人の影になってイマイチ輝いていないのですわ、全員の顔も服も同じアースカラーのなのが災いしているのか
収容所の看守が「お前たちの枷は鉄条網でも犬でもなくシベリアの氷の大地そのものが刑務所だ!」と脅かしていたけど、収容所を脱出できただけでもラッキーだと思う。最初はロシアの犯罪集団ウルキの一員だったこともあり凄みをきかせていたヴァルカ(コリン・ファレル)が、次第にヤヌシュの凡人にはない頭のよさ、統率力を認め尊敬の念をこめて「パカン(ウルキのリーダー)」と呼び始めます、意外に善良だったんですよね。収容所では自分以外の人間は敵と疑っていた彼らは歩く距離が増すほどに結束していきます。途中でイリーナ(シアーシャ・ローナン)が仲間に加わるのですが、こんな飢えた状況下にうら若き少女1人。男たちはよくぞお行儀よく紳士でいられたなぁと若干、半信半疑でした湖で下着姿で体を洗う姿を微笑ましく眺めているし。あー、それと全員が訛っていながらも英語が話せるのがやはり不自然だわなぁと。。。。まぁ、基本的に英語じゃないと映画が成り立たないから仕方ないのかもしれませんね
何かの幼虫みたいなものやオオカミが食べていた獣を横取りとか、多少腐った物とか食べなくては生きていけない極限状態でカニバリズムに走らなかったのはよかったわ、ヴァルカが少し危ない言葉を口走っていたけれど。もし私だったら、免疫力がないので早くに死んでいただろうな。
ヤヌシュとヴァルカの主従関係のような繋がりと2人の別れ、イリーナの名前はロシア名で実は”ジェリンスカ”というポーランドの正式な名前がありそれを寝る前に唱えていた彼女の最期の姿にウルウルきました
なのにっせっかくいいカンジの展開だったのにラストがなぜああなるのか、いきなりガクンと失速した感が否めないのです
「ウェイバック -脱出6500km-」
そんなこんなで、この作品超過酷なサバイバル・ロードムービーでしたー。
このシーンもよかったのに、最後ですっかり....
にほんブログ村