My Cinema Talk World: 『ディス/コネクト』ー 繋がりたいのに現実に背を向ける人たち。

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2014/10/24

『ディス/コネクト』ー 繋がりたいのに現実に背を向ける人たち。



劇場で観たかった『ディス/コネクト』。DVD化されたので早速見ました。
ネット社会の恐さを描いた作品だという予備知識はあったので何か学ぶことがあるかも?と思い、家人を誘って見ていました。
しかし、一緒に観ていた家人はどうやら途中で飽きてきたようで途中離脱しました。


解説・ストーリー
SNS上で起こった事件をきっかけに、心の絆を取り戻そうとする人々の姿をサスペンスフルに描いた群像ドラマ。ある少年が、SNS上での嫌がらせを原因に 自殺未遂を起こす。しかし、仕事ばかりで家庭を顧みなかった父親は、息子がなぜ自殺を図ったのかがわからない。一方、嫌がらせをしていた少年は、元刑事の 厳格な父との父子家庭で、父親は威厳を示すことで愛情を伝えようとしていたが、少年はそんな父から愛情を感じるとることができなかった。互いの気持ちを知 らずにいた2組の親子を中心に、つながりを求めてネット上をさまよう人々が、事件をきっかけに再び絆を取り戻そうとする姿を描く。監督は長編ドキュメンタ リー「マーダーボール」でアカデミー賞にノミネートされた、ヘンリー=アレックス・ルビン。出演はジェイソン・ベイトマン、アレクサンダー・スカルスガル ド、ポーラ・パットンほか。
映画.com より)

キャスト
    ジェイソン・ベイトマン: リッチ・ボイド
    ホープ・デイビス: リディア・ボイド
    フランク・グリロ: マイク・ディクソン
    ミカエル・ニクビスト: シューマッカー
    ポーラ・パットン: シンディ・ハル
    アンドレア・ライズボロー: ニーナ・ダナン
    アレクサンダー・スカルスガルド: デレック・ハル
    マックス・シエリオット: カイル
    コリン・フォード: ジェイソン・ディクソン
    ジョナ・ボボ: ベン・ボイド
    ヘイリー・ラム: アビー・ボイド
    マーク・ジェイコブス

スタッフ・映画情報
監督:ヘンリー・アレックス・ルビン
製作:
    ウィリアム・ホーバーグ
    ミッキー・リデル
    ジェニファー・モンロー
製作総指揮:
    マーク・フォースター
    ブラッド・シンプソン
脚本:
    アンドリュー・スターン
撮影:
    ケン・セング
美術:
    ディナ・ゴールドマン
衣装:
    キャサリン・ジョージ
編集:
    リー・パーシー
    ケビン・テント
音楽:
    マックス・リヒター
原題 :    Disconnect
製作年:    2012年
製作国:    アメリカ
配給: クロックワークス



ああ、寒くてヤダ〜っ!まるで冬みたい!!(あ、もう冬だな) 一人で家にいるの寂しすぎる…誰かと話したいTwitterに朝のツィートするかぁ。。。
なんて日々を過ごされている方に観て欲しい映画です...なーんてとってつけたような始まりですが、スミマセン!!
今のネット社会に一石を投じる、「家族も顧みないでそれに没頭しちゃうと痛い目にあうよ。」と教えてくれる映画ですが、それだけを描いた作品ではありません。
SNSやチャットなどのインターネットで繋がっている...ぼくたち、わたしたち。
Facebook(のような)サイトを暗に誰かに見られていて、なにか思わぬ危害が及ぼされることもあるかもしれないし、ネット上の見知らぬ人とチャットしてて何かよからぬことになるかも…そういうこともテーマの1つではあるけれど、全て「ネットが悪い」とは言ってはいない。
ただ、家族に背を向けスマホやタブレットに夢中になる根本的な原因は何でしょうか?もともとの原因は人と人…ここではおもに家族間の…との繋がりの希薄さにあるのではないか。
この映画の中のゲゲゲの鬼太郎みたいな髪型の少年ベン。確かに聴いてる音楽もシガー・ロスとレディオヘッド…うーむ、確かに音楽オタクっぽい。(私も好きなんですがね…15歳と同じ趣味か、私は。)
日常生活でも食事中にスマホをイジっていて親に注意される、すると「父さんだってやってるじゃないか」と反論するも「これは仕事だから…」と返す父。
大人だから、仕事だから?いいのでしょうか、息子には咎めておいて同じ事をやる父親は特別優遇ですか?!
彼の親がもっと息子と会話するくらいのことをしていればあのような悲惨なことはくいとめられたのではないか?
加害者の少年の父親にも同じことが言える。
常に「ダメだ!」と口で注意はするが、息子とちゃんとした会話もしない、命令するだけで常に背中を向けて仕事の没頭する日々。
幼い子供を亡くした夫妻も夫デレックが妻の苦しい想いに耳を傾けていればネットを利用した犯罪に巻き込まれなかっただろう。
少年の場合、自分の恥ずかしい写真がバラまかれショック状態の時、母親が頭をなでて何気に普段と違う彼の様子をうかがっている、親はまるっきり息子に無関心でもないのだがそこで15歳の少年には恥ずかしい写真を撮って送ってしまったことはたとえ親であっても話す勇気がなかったのです。
ほんと、ベンくんが可哀想すぎる、あの年齢の男の子だったら同じようなことをしても不思議じゃないですよ。女の子からあんな写真を送られ、「私たちって同じ境遇よね」なんて迫られたら。
相手と同じ境遇で心が通じあってるとしか思えない、なんだかんだ言ってもまだ子供ですから。



決して彼が特別エロい少年じゃないんですよ、今時の少年(普通よりは若干くらいかな^^;)です。ただ、SNSで知り合った相手が実は自分と同じ高校に通う男子(!)だった…そう、女の子のフリをしてベンとチャットして気をひいて彼の様子を眺めて面白がっていた。
なんてタチが悪いんだろうって驚きもするが、似たようなネット上でのイジメは実際にあるワケです。
子供を亡くしたすれ違い夫婦もネットで救われていたと思ったら、実は個人情報が盗まれ財産がすっからかんになるという悲惨な目にあう。
そしてネット犯罪専門の探偵に捜査を依頼した時に妻がチャットで話していたログを見て夫は複雑な心境に陥る。
それぞれがインターネットが原因で散々な目に合うところがプロットポイントとなり、遅ればせながら各々が「リベンジ」とばかりに現実に向き合い動き出し、事態が転がり始めます。
ポルノサイトをテレビで取り上げた女性リポーターもね、そのサイトで働く少年を追ううちに結局仕事を越えた関係にまで及んでしまう、とにかく首を突っ込みすぎた上、どっち付かずの行動にでましたね。



ラストへの流れ込み方がなんとなしにダーレン・アロノフスキーの「レクイエム・フォー・ドリーム 」みたいでした、登場人物が交互に映し出されて息つく暇がなくドタドターって...。
どの家族も少し救いになるシーンで終わっていたのでホッとしましたわぁ。
ベンが作曲した「ラリラリラリィラー... 」って哀しげな曲が焼き付いて、映画を見てからずっと頭の中に響いてます。
この作品予想通りの秀作だと思いましたよ。



Wikipediaを見ながらマーク・ジェイコブスが出てるはずと家人が言ったので、注意してみるとポルノサイトで荒稼ぎをする総元締のハービー役が彼でしたね。
いつものようにアイメイクもしてなくて、ワイルドだったので指摘されなければ気がつきませんでした^^;
アレクサンダー・スカルスガルドがメガネをかけるとジム・キャリーに似てる、うん絶対そうだ...一人なっとく。
あ、映画の邦題もすごくいいと思いました「ディス/コネクト」ってパソコンの電源の「ON/OFF」っぽい視覚効果もありで、よいね。

ときどき外に食事に出た時など、料理が出てくるまでの時間をシーーーンとひたすらスマホやiPodに没頭して話もしない自分達の光景で我にかえり不思議な感情を憶えるときがあるんです...わたくし。我が家もDisconnectすべきだよなぁ。




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