My Cinema Talk World: よしなし事

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2012/03/06

よしなし事

智恵子生家

先週中盤からダンナさまが体調を崩し、診察を受けるたところインフルエンザ。
その後、息子も鼻水やくしゃみ微熱が出ていたがすぐに回復。
今日は元気に登校している。
かくゆ(い)う私も、1、2日微熱が続いたが今朝になったら体調も元通りっぽい。
ダンナさまも最高に忙しい時期だし、自分も何かと忙しない日々。
今、熱を出したり寝込んだりできない状態なのでほんとよかった…一安心。
気力勝ちというところか(笑)

先週、夕方息子と某N○Kの子供番組を観ていたら
高村光太郎の「あどけない話」が取り上げられていた。
「智恵子抄」のあの有名な詩である。

「あ、これ高村光太郎さんて有名な人の詩だよ。去年、この詩の中に出てくる智恵子さんの二本松の実家に行って来たんだよ…まま一人で」
と教えると
「えーっ?ボクも行きたかったぁ」
などと…息子。
その時は興味なさげだったから一人で出かけたのに^^;
震災の一ヶ月前くらいだったかな。。。
(後でブログ見てみよう…前のWordpressブログだったらなくなっちゃってる可能性もorz)
その晩、お風呂の中で智恵子抄の話をした。
智恵子の生い立ちと光太郎との出会い、そして病から死に至る話を軽く端折りながらだが。
息子はめずらしく興味津々な様子。
死の直前の様子を描いた「レモン哀歌」の話をしたところ、それも「うん。うん」と相づちをうちながら熱心に聴いていた。
しかしながら話している方はすっかりうるうる来て声に詰まるテイタラク。
「まま、泣いてんの?」
とめざとく指摘された。
それと最後に
”東京にほんとうの空がないという”
の意味も話してみた…自分なりに解釈している範囲でだけど。
「東京にほんとの空がないわけじゃないんだよ、東京で生まれ育った人は故郷の空が本当の空だし…空気がきれいな田舎の空が本当の空と言うことじゃなくて。」
こういう説明も子供に分かるように説明するのはなかなか難しいものだ。
「何年か後に就職とか大学に行くのにここを離れたときにその気持ちは分かると思うよ。」
と息子に説明した。
それと、智恵子の遺した切り絵の素晴らしさも教えたところ、見てみたいと息子。
ほんとかな。。。


そんなにもあなたはレモンを待ってゐた

かなしく白くあかるい死の床で

わたしの手からとった一つのレモンを

あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ

トパアズいろの香気が立つ

その数滴の天のものなるレモンの汁は

ぱつとあなたの意識を正常にした

あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ

わたしの手を握るあなたの力の健康さよ

あなたの咽喉に嵐はあるが

かういふ命の瀬戸ぎはに

智恵子はもとの智恵子となり

生涯の愛を一瞬にかたむけた

それからひと時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして

あなたの機関はそれなり止まった

写真の前に挿した桜の花かげに

すずしく光るレモンを今日も置かう

(高村光太郎「智恵子抄」レモン哀歌 より)


レモンを一口かじって
亡くなる最後のくだりがリアルですね。
涙が出ます....



ちなみに昨年智恵子の生家を訪れたのは3月5日だったらしいデス。


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