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2017
2017/11/12
今こそ「必殺シリーズ」に回帰する!
私が「必殺シリーズ」と初めて出会ったのは小学校低学年の頃だ。
母親がクラスの秀才の女の子が書道を習っていることを知り、私もその子と同じ塾に通わせることを決めた、その時期だ。
水曜と土曜の週二回。気が進まない書道塾に通うことになったその頃、土曜の午後1時〜2時までの時間帯に「必殺シリーズ」の再放送が放映されていた。
ちょうどお昼ご飯を食べ終えて塾の時間までダラダラと待っている時間だった。
一番初めに見たのはおそらく『助け人走る』だと記憶している。
2017/11/01
本陣殺人事件 ― ジーンズ姿の金田一耕助に惚れる
映像京都スタッフによる極上の映像美に酔しれる
中尾彬と金田一耕助とは、イメージ的にちょっと違うのではないかとしばらく見るのを避けていた映画です。
しかしながら、一度見て見ると意外にも金田一の服装がずれてるわりには違和感なく入り込める ―― それどころか“中尾金田一”魅力的でさえありました。
制作は、先日アップした『蔵の中』の高林陽一監督と横溝正史シリーズで知られる映像京都のスタッフです。
本陣殺人事件
監督: 高林陽一 / 製作年:1975年
ストーリー山間の集落、広い敷地のある一柳家は江戸時代から続く旧家である。事件は長男の賢蔵と久保克子の婚礼の日、恙なく終わった式後の未明に起きた。離れに休んだ若夫婦の部屋から、克子の悲鳴があがったのだ。駈け付けた家族が見たものは、日本刀で斬りつけられた克子と側に倒れる血まみれの賢蔵の姿であった。やがて、この「本陣殺人事件」を担当した磯川警部により依頼を受けた私立探偵・金田一耕助がやって来る。複雑怪奇な人間模様に絡められたこの事件を、果たして金田一は解決することができるのか。(allcinema ONLINE より)
キャスト
金田一耕助 - 中尾彬
一柳賢蔵 - 田村高廣
一柳三郎 - 新田章
一柳鈴子 - 高沢順子
一柳糸子 - 東竜子
一柳良介 - 伴勇太郎
一柳秋子 - 山本織江
久保克子 - 水原ゆう紀
久保銀造 - 加賀邦男
田谷照三 - 石山雄大
三本指の男 - 常田富士男
磯川警部 - 東野孝彦
白木静子 - 村松英子
スタッフ
監督: 高林陽一
脚本: 高林陽一
原作: 横溝正史
製作: 高林輝雄 西岡善信
撮影: 森田富士郎
美術: 西岡善信
音楽: 大林宣彦
2017/10/29
蔵の中 ― 金田一が出ない横溝作品
けれん味に固執するがあまり原作の世界を壊してないか?!
リアルタイムで劇場で鑑賞した映画です。
その頃、まだ私の中では横溝・角川映画ブームは消えていなかったし、横溝作品については“金田一もの”でない本作が新鮮だったのでしょう。
当時ニューハーフとして話題になっていた松原留美子が、主人公 笛二の姉役で出演するということもあって、好奇心と期待で公開が待ち遠しかったことを記憶しています。
映画を見ている最中も、逆光でヒゲの剃り跡が青く見えないかとかチェックしたり。
そんな映画を取り巻く瑣末なことは覚えているのに、映画のラストを忘れてしまっていたという信じられない状況です。
久々に映画『蔵の中』をみて、当時の自分の反応を思い出しながら初見のような新鮮な気持ちになったりもしました。
蔵の中
監督: 高林陽一 / 製作年:1981年
ストーリー評論雑誌「象徴」の編集者 磯貝(中尾彬)のもとへ蕗谷笛二(山中康仁)という青年が原稿を持ち込む。
普段は持ち込みの原稿は読まない主義の磯貝だが、原稿を読まないうちは転地療養に出発できないという。
磯貝は独特の風貌をした青年に憑かれるように原稿に目を通し始める。
そこには、胸の病(結核)を患う姉小雪(松原留美子)と弟笛二の信じがたい真っ暗な蔵の中での暮らしぶり ―― そして磯貝自身まで登場するのだった。
キャスト
蕗谷笛二 / 山中康仁
小雪 / 松原留美子
磯貝三四郎 / 中尾彬
お瀞 / 吉行和子
真野玉枝 / 亜湖
おみね / 小林加奈枝
スタッフ
監督 高林陽一
製作 角川春樹
プロデューサー 山田順彦 、 稲葉清治
原作 横溝正史
脚本 桂千穂
撮影 高林陽一 津田宗之
音楽 桃山晴衣
美術 井川徳道
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小雪役にニューハーフの火付け役 松原留美子 |
2017/10/04
怒り ― 豪華俳優陣の演技がすごい…
ある事件の手配写真で崩れていく信頼関係
人を信じることの難しさ
全くつながりのない人たちと3つの場所 ―― 東京 沖縄 千葉。
その中の誰か1人が殺人事件の犯人かもしれない。
それぞれのストーリーが展開される群像劇。
再び、WOWOWシネマ『妻夫木聡が観たい!』特集で鑑賞しました。
怒り
監督: 李相日 / 製作年:2016年
ストーリー八王子郊外で若い夫婦が自宅で惨殺され、犯人は逃走した。1年後、房総、東京、沖縄に身元不明の3人の男がそれぞれ現れ、訝られながらも次第に周囲に受け入れられ、それなりの人間関係が作られていく。ある日、警察が八王子事件の犯人の整形手術後のモンタージュ写真をテレビ番組で公表したのをきっかけに、それぞれの人間関係に揺らぎが生まれはじめる。(wikipedia)
キャスト
千葉
槙洋平 - 渡辺謙
槙愛子 - 宮崎あおい
田代哲也 - 松山ケンイチ
明日香 - 池脇千鶴
東京
藤田優馬 - 妻夫木聡
大西直人 - 綾野剛
藤田貴子 - 原日出子
薫 - 高畑充希
沖縄
田中信吾 - 森山未來
小宮山泉 - 広瀬すず
知念辰哉 - 佐久本宝
その他
南條邦久 - ピエール瀧
北見壮介 - 三浦貴大
早川 - 水澤紳吾
スタッフ・作品情報
監督: 李相日
脚本: 李相日
原作: 吉田修一
製作: 市川南
音楽: 坂本龍一
撮影: 笠松則通
製作会社: 東宝映画
公開: 2016年9月17日
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東京 ― 妻夫木聡の演技力に注目! |
2017/09/30
悪人 ― 美と醜のコントラスト
いきなり満島ひかりが殺されてしまう驚き
そして、田舎の“後継問題”は切実だ
スカイライン GT-R33、ナンバー33を乗り回す無口で暗い祐一(妻夫木聡)。
小学校時代から国道沿いを行ったり来たりしながら人生の大半を過ごしてきた地味な女 光代(深津絵里)。
この2人を中心に、それぞれの運命は動き始めます。
以前見て、陰鬱に物語は展開していきつつ、胸を打つシーンやらセリフがあるのを記憶していました。
親元を離れ、都会を謳歌する佳乃(満島ひかり)がとんでもないビッチの性悪で、殺されて遺体が見つかるという強烈な映画です。
もう一度見たいと思いつつ数年がたってしまいました。
先週、WOWOWシネマで『妻夫木聡が観たい!』という特集で久しぶりに観ることができました。
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腹黒い、親不孝、そしてウザい女 佳乃 |
悪人
監督: 李相日 / 製作年:2010年
ストーリー保険外交員 石橋佳乃(満島ひかり)が殺される事件が起きる。
解体業をしながら祖父母と暮らす 清水祐一(妻夫木聡)が犯人だった。祐一は別の女性 馬込光代(深津絵里)を連れ、逃避行をするのだった…
当初、容疑者は裕福な大学生の増尾圭吾(岡田将生)だった。増尾の供述と新たな証言者も現れ、容疑の焦点は祐一に絞られる。
キャスト
清水祐一 - 妻夫木聡
馬込光代 - 深津絵里
増尾圭吾 - 岡田将生
石橋佳乃 - 満島ひかり
佐野刑事 - 塩見三省
久保刑事 - 池内万作
矢島憲夫 - 光石研
清水依子 - 余貴美子
清水勝治 - 井川比佐志
堤下 - 松尾スズキ
馬込珠代 - 山田キヌヲ
スタッフ・作品情報
監督: 李相日
脚本: 吉田修一 李相日
原作: 吉田修一
製作: 島谷能成 服部洋
町田智子 北川直樹 宮路敬久
堀義貴 畠中達郎 喜多埜裕明
大宮敏靖 宇留間和基
撮影: 笠松則通
音楽: 久石譲
主題歌: 福原美穂「Your Story」
編集: 今井剛
製作会社: 東宝映像制作部
配給: 東宝
公開: 2010年9月11日
2017/09/16
だれかの木琴 ― 奥さん、それ相当ヤバいですっ!
人はみな本音を聞いてもらいたいと願っているのかもしれない
金曜夜9時からのWOWOW ウィークエンドエンタ!で初めて視聴しました。
最初、池松壮亮の演技が目的で見始めましたが、すっかり常盤貴子に魅せられました。
だれかの木琴
監督: 東陽一 / 製作年:2016年
ストーリー主婦の小夜子(常盤貴子)は、夫の光太郎(勝村政信)と娘と共に東京郊外に引っ越したばかり。
初めて訪れた美容院で美容師 海斗(池松壮亮)と雑談しながら髪をカットしてもらった。
帰宅後、海斗から営業メールが届いた。それに返信した小夜子は自分でも理解しがたい感情が湧いてくるのだった。
それをきっかけに小夜子は海斗に執着し始める。
その行動がエスカレートするにつれ海斗だけでなく光太郎、娘、海斗の恋人・唯(佐津川愛美)までも巻き込んでいき、思わぬ結果に……。
キャスト
常盤貴子 / 親海小夜子
池松壮亮 / 山田海斗
佐津川愛美 / 海斗の彼女
勝村政信 / 親海光太郎
スタッフ
監督・脚本・編集:東陽一
原作:井上荒野
撮影:辻智彦
制作プロダクション:シグロ / ホリプロ
配給:キノフィルムズ
製作年:2016年
製作国:日本
日本公開:2016年9月10日
2017/09/03
愚行録 ― この世界は「格差社会」ではなく「階級社会」だ

満島ひかりの“1人語り演技” 邦画っぽくないカメラワーク
だいぶ前に、Huluで尾野真千子主演の『フジコ』というドラマを見ました。
一家惨殺事件から生き残った1人の少女のお話でした。
イヤミス呼ばれる小説の映像化です。
本作『愚行録』も同名小説の映画化で、一家惨殺事件を多面的に描いた作品です。
一家惨殺事件から生き残った1人の少女のお話でした。
イヤミス呼ばれる小説の映像化です。
本作『愚行録』も同名小説の映画化で、一家惨殺事件を多面的に描いた作品です。
愚行録
監督: 石川慶 / 製作年:2016年
ストーリー
ある一家を襲った惨殺事件。被害者はエリートサラリーマンの田向浩樹(小出恵介)を筆頭に、美しい妻 友季恵(松本若菜)と1人娘の3人だった。
その後捜査は難航。
そんな田向一家殺害事件の真相を突き止めようと動き出した週刊誌の記者がいた ―― 田中武志(妻夫木聡)だった。
彼は子供の頃から妹 光子(満島ひかり)とともに親に虐待され、光子は育児放棄で我が子を瀕死の状態に追い込み留置されているという闇を抱えていた。
田向夫婦を取り巻く人間関係を追うに従い、幸せで何の曇りも見えるはずのない彼らには、それぞれ闇があることを突き止めていく田中。
恨み、憎しみ、嫉妬…負の連鎖が渦巻き、事件は田中をも巻き込み恐ろしい展開になる……。
キャスト
・田中武志/妻夫木聡
・田中光子/満島ひかり
・田向浩樹/小出恵介
・夏原友李恵(田向の妻)/ 松本若菜
・宮村淳子/ 臼田あさみ
・稲村恵美/ 市川由衣
・尾形孝之/ 中村倫也
スタッフ
監督: 石川慶
原作: 貫井徳郎
脚本: 向井康介
音楽: 大間々昂
製作年度 2016年
上映時間 120分
2017/08/27
愛を読むひと ― “文盲”であるための恥
戦争を背景に自分を貫き通したヒロインを描いた秀作
ずっと見たかった映画です。
ケイト・ウィンスレットが驚くほど痩せています。
最初は、ニコール・キッドマンがハンナ役で撮影に入るも妊娠が発覚し、降板しました。
第81回アカデミー賞で、ケイト・ウィンスレットが見事主演女優賞を受賞しています。
愛を読むひと(原題: The Reader)
監督: スティーヴン・ダルドリー / 製作年:2008年
ハンナ:「エッチは本を読んだあとで...ね!」
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ストーリー
1958年のドイツ。15歳のマイケルは偶然出会った年上のミステリアスな女性ハンナに心奪われ、うぶな少年は彼女と彼女の肉体の虜となっていく。やがて度重なる情事のなかで、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読することがふたりの日課となる。ところが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。たまたま傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席に座る彼女を見てしまったのだ。裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは隠し続けようとしていることに気づく。その秘密を知るただ一人の者として、マイケルは葛藤し、答えを見い出せないまま苦悩を深めていくのだが…。(allcinema より)
キャスト
ケイト・ウィンスレット / ハンナ・シュミッツ
レイフ・ファインズ / マイケル・バーグ
デヴィッド・クロス / 青年時代のマイケル・バーグ
レナ・オリン / ローズ・メイザー、イラナ・メイザー
アレクサンドラ・マリア・ララ / 若き日のイラナ・メイザー
ブルーノ・ガンツ / ロール教授
スタッフ・作品情報
監督: スティーヴン・ダルドリー
製作: アンソニー・ミンゲラ シドニー・ポラック
ドナ・ジグリオッティ レッドモンド・モリス
製作総指揮: ボブ・ワインスタイン ハーヴェイ・ワインスタイン
原作: ベルンハルト・シュリンク 『朗読者』
脚本: デヴィッド・ヘア
撮影: クリス・メンゲス ロジャー・ディーキンス
音楽: ニコ・ムーリー
原題: THE READER
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マイケル15歳、ハンナ30代前半。年の差カップル |
2017/08/20
ミスト ― ラストの後味の悪さはピカイチ
宗教か信念か?! 閉塞状態に陥った人間の有様。あり得ないラストに絶句
「ミスト」初めて見ました。
たまたま、つけたFOXムービーで偶然に一場面みて面白そう…ってことで。
あれ、スティーヴン・キング原作かぁって感じで見始めて、あっという間に信じられない展開になっていきました。
ミスト(原題: The Mist)
監督: フランク・ダラボン / 製作年:2007年
ストーリー田舎町を激しい嵐が通り過ぎた。
その翌日デヴィッド(トーマス・ジェーン)と妻ステファニー(ケリー・コリンズ・リンツ)は湖の向こうに見える異様な霧を眺めながら不気味さを感じる。
デヴィッドは息子ビリー(ネイサン・ギャンブル)と2人でスーパーマーケットへ買い出しに出掛ける。
さっき見た濃い霧はほどなく客でごった返すマーケットにまでやってきて、やがて町全体を覆っていた。
霧を目の前に人々がマーケットに缶詰状態になっている最中、デヴィッドは霧の中に不気味な触手生物を発見する。
彼の話を聞いた人たちは店の中からバリケードを作ったり武器になる物をかき集める。
一方、スーパーマーケットに来ていた骨董品店の女主人カーモディは狂信めいた言葉で周囲の不安を煽りたてるのだった。
その夜、とうとう霧の中の生物たちが襲撃し、店内は大混乱になる...
キャスト
トーマス・ジェーン/ デヴィッド・ドレイトン
マーシャ・ゲイ・ハーデン/ ミセス・カーモディ
ローリー・ホールデン/ アマンダ・ダンフリー
アンドレ・ブラウアー/ ブレント・ノートン
トビー・ジョーンズ/ オリー・ウィークス
ウィリアム・サドラー/ ジム・グロンディン
ジェフリー・デマン/ ダン・ミラー
フランシス・スターンハーゲン/ アイリーン・レプラー
アレクサ・ダヴァロス/ サリー
ネイサン・ギャンブル/ ビリー・ドレイトン
クリス・オーウェン/ ノーム
スタッフ・作品情報
監督: フランク・ダラボン
製作: フランク・ダラボン リズ・グロッツァー
製作総指揮: リチャード・サパースタイン ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
共同製作: デニース・ハス
原作: スティーヴン・キング
『霧』(扶桑社刊『スケルトン・クルー1 骸骨乗組員』)
脚本: フランク・ダラボン
撮影: ロン・シュミット
編集: ハンター・M・ヴィア
音楽: マーク・アイシャム
公開: 2007年11月21日(アメリカ)
2008年5月10日(日本)
原題:The Mist
2017/08/16
ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情 ― 男と女は根本的に別な生物である
ジェームズ・マカヴォイとジェシカ・チャステインが演じきった男と女それぞれの生きづらさ
Huluで「ラブストーリーズ コナーの涙」鑑賞している途中で、急に思い出す...DVDを購入して未見のまましまってあったことを ――
「コナーの涙」「エリナーの愛情」そしてこの2本を編集して、1本にした作品をDVDで視聴。
計3本を一気見しました。
ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情(原題: THE DISAPPEARANCE OF ELEANOR RIGBY: HER/HIM/THEM)
監督: ネッド・ベンソン / 製作年:2013年
ストーリー最愛の子どもの死をきっかけに互いの心がすれ違い、やがて別れを決断したカップルが、再生へと向かう紆余曲折の道のりを、男女それぞれの視点から捉えた2つの作品で描き出した異色作。本作はその男編。主演は「つぐない」のジェームズ・マカヴォイと「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステイン。監督は、これが長編デビューのネッド・ベンソン。(allcinemaより)
ニューヨーク。ある日、アパートから妻エリナーの姿がなくなっていた。小さなレストランを経営する夫のコナーは、幼い我が子を失った悲しみを2人で乗り越えようと腐心してきた。しかし、エリナーの気持ちを量りかねる日々に苦悩は深まるばかりだった。やがて彼女が大学に通い出したことを知り、ようやく再会を果たしたコナーだったが…。
キャスト
ジェームズ・マカヴォイ/ コナー・ラドロー
ジェシカ・チャステイン/ エリナー・リグビー
キアラン・ハインズ/ スペンサー・ラドロー
ビル・ヘイダー/ スチュアート
ニナ・アリアンダ/ アレクシス
ヴィオラ・デイヴィス/ フリードマン教授
ウィリアム・ハート/ ジュリアン・リグビー
ジェス・ワイクスラー/ ケイティ・リグビー
イザベル・ユペール/ メアリー・リグビー
スタッフ・作品情報
監督: ネッド・ベンソン
製作: カサンドラ・クルクンディス
ネッド・ベンソン
ジェシカ・チャステイン
トッド・J・ラバロウスキ
エマニュエル・マイケル
製作総指揮: カーク・ダミコ
ブラッド・クーリッジ
メリッサ・クーリッジ
キム・ウォートリップ
ジム・ケイシー
ピーター・パストレッリ
脚本: ネッド・ベンソン
撮影: クリストファー・ブロヴェルト
編集: クリスティーナ・ボーデン
音楽: サン・ラックス
公開 2014年10月10日(アメリカ)
2015年2月14日(日本)
原題: The Disappearance of Eleanor Rigby: HER/HIM/THEM
2017/08/12
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド ― 油(オイル)が噴き出す、血が流れる !!
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タイトルのフォントが宗教(聖書)っぽくて良いです |
終始流れる不穏な空気にドキドキ。絶句する大団円
ポール・トーマス・アンダーソン の「ハードエイト Sydney (1996)」「ブギーナイツ Boogie Nights(1997)」に続く“連れ人シリーズ” 第三弾。
勝手に“連れ人シリーズ”なんて名前つけちゃいまいたが ――
この後、このシリーズは「ザ・マスター The Master (2012)」へと続くわけです。
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は、高く評価され各映画祭で監督賞、主演男優賞、撮影賞、作品賞と各賞を総なめにしています。
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(原題: There Will Be Blood)
監督: ポール・トーマス・アンダーソン / 製作年:2007年
ストーリー20世紀初頭。一攫千金を夢見る山師の男ダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)。孤児を自分の息子H.W.(ディロン・フリーシャー)として連れ歩く彼は、ある日ポール(ポール・ダノ)という青年から自分の故郷の土地に油田があるはずだとの情報を得て、西部の町リトル・ボストンへと向かう。そして、すぐさま土地の買い占めに乗り出す。そんな中、ポールの双子の兄弟で住人の信頼を一手に集めるカリスマ牧師イーライ(ポール・ダノ)が、ダニエルへの警戒を強めていく。(allcinemaより)
2017/07/30
君が生きた証 ― それぞれが踏み出す一歩
かつてない中盤のドンデン返しに騙された感 音楽で涙腺崩壊
DVDが発売されてすぐレンタルして鑑賞。
そのまま、感想を書かずにいるうちNetflixで見ることになりました。
音楽がいいのと、ビリー・クラダップがカッコいい!
そして、やはりアントン・イェルチンを偲んでしまった。
君が生きた証(原題: Rudderless)
監督:ウィリアム・H・メイシー / 製作年:2014年
ストーリー広告業界で働くサム・マニング(ビリー・クラダップ)は仕事の業績も上々、順風満帆だった。
そんなある日、突然生活が暗転する ――
大学生の息子ジョシュ(マイルズ・ハイザー)が、銃乱射事件でこの世を去ってしまったのだ。
心はズタズタ…マスコミに追われ、酒に溺れる日々。
2年後 ―― サムは会社を辞め、ペンキ塗りをしながら湖に浮かぶボートで生活していた。
元妻(フェリシティ・ハフマン)が整理し持ってきた息子の遺品の中に、生前彼が作詞作曲し、録音したテープがあった。
それを聴きながら、息子が発していた声を感じていた。
行きつけのバーで催しているバンドのオーディションでジョシュが作った曲を演奏したサムに、「感動した」と声をかけてきた若者がいた――
バイトをしながらバンド活動をするクェンティン(アントン・イェルチン)だった。
キャスト
サム / ビリー・クラダップ
ジョシュ / マイルズ・ハイザー
クエンティン / アントン・イェルチン
エミリー / フェリシティ・ハフマン
デル / ローレンス・フィッシュバーン
トリル / ウィリアム・H・メイシー
ウィリー(ベース) / ベン・クウェラー
エイケン(ドラム) / ライアン・ディーン
ケイト・アン・ルーカス / セレーナ・ゴメス
リサ・マーティン / ジェイミー・チャン
スタッフ・作品情報
監督・脚本:
ウィリアム・H・メイシー
脚本: ケイシー・トゥウェンター
ジェフ・ロビソン
製作:
キース・キャラヴァル
ブラッド・グレイナー
ジェフ・ライス
音楽:
イーフ・バーズレイ
サイモン・ステッドマン
チャールトン・ペッタス
フィンク
撮影:
エリック・リン
配給:
ザ・サミュエル・ゴールドウィン・カンパニー
ファントム・フィルム(日本)
原題:Rudderless
2017/07/25
ナイル殺人事件 ― まんまと犯人を忘れましたぁ
ミア・ファローとジェーン・バーキンのキャラ被り!
子供の頃、劇場で見て以来の『ナイル殺人事件』をひっさびさに見てみました。
当時は、映画のCMで流れる
♪〜ミステリーナイィール〜♪
を聴いて映画の一場面を見て、まだ見ぬ映画本編とエジプトに想いを馳せ、劇場に行くまでいても立っても入られませんでした、懐かしい!
久々にDVDで見始めて、ふと気付きました ―― 犯人が誰だったのかまんまと忘れてしまったのです。
巨額の遺産相続人になったアメリカ生まれのリネット(ロイス・チャイルズ)は親友ジャクリーン(ミア・ファロー)から婚約者サイモン(サイモン・マッコーキンデール)が失業したから助けてほしいと相談される。
リネットはサイモンに会い、なぜか彼女はサイモンとの電撃結婚を発表する。
その後夫妻は、エジプトに新婚旅行に出るが、行く先々にジャクリーンが姿を現すのだった。
キャスト
エルキュール・ポアロ - ピーター・ユスティノフ
リネット・リッジウェイ・ドイル - ロイス・チャイルズ
サイモン・ドイル - サイモン・マッコーキンデール
ジャクリーン・ド・ベルフォール - ミア・ファロー
ルイーズ・ブルジェ - ジェーン・バーキン
アンドリュー・ペニントン - ジョージ・ケネディ
マリー・ヴァン・スカイラー - ベティ・デイヴィス
バウァーズ - マギー・スミス
サロメ・オッタボーン - アンジェラ・ランズベリー
ロザリー・オッタボーン - オリヴィア・ハッセー
ジョニー・レイス大佐 - デヴィッド・ニーヴン
ジェームズ・ファーガスン - ジョン・フィンチ
ベスナー医師 - ジャック・ウォーデン
ロックフォード - サム・ワナメイカー
スタッフ・作品情報
監督: ジョン・ギラーミン
脚本: アンソニー・シェーファー
原作: アガサ・クリスティ
『ナイルに死す』
製作: ジョン・ブラボーン
リチャード・グッドウィン
音楽: ニーノ・ロータ
撮影: ジャック・カーディフ
編集: マルコム・クック
製作会社: EMI Films
Mersham Productions
公開: 1978年9月29日(アメリカ)
1978年12月9日(日本)
原題: Death on the Nile
2017/07/23
ペーパーボーイ 真夏の引力 ― 20歳男子、最初で最後の恋
ソウル・ミュージック最高!ラストで涙、涙...
なんでかなぁ。
全然評価されてないんです、この映画!
みる人のほとんどが、原作(原作 ピート・デクスター)に忠実なクライム・サスペンスとして見ている人が多いようです ――
ペーパーボーイ 真夏の引力(原題: The Paperboy)
監督:リー・ダニエルズ / 製作年:2012年
ストーリー
1969年フロリダ、問題をおこして大学をやめたジャック(ザック・エフロン)は、父親が経営する地方紙で新聞配達を手伝う日々を送っていた。
そんな中、マイアミで新聞記者をする兄ウォード(マシュー・マコノヒー)が、過去に起こった殺人事件で死刑の判決が出たヒラリー(ジョン・キューザック)が無罪かもしれないという取材をするため、同僚のヤードリーとともに故郷に帰ってくる。
ジャックは、雑用係として兄の手伝いをはじめる。
ある日ヒラリーの婚約者を名乗るシャーロット(ニコール・キッドマン)が訪ねてくる。
ジャックは親子ほども年上の彼女に魅かれていくのだった。
キャスト
ザック・エフロン/ジャック
ニコール・キッドマン/シャーロット
マシュー・マコノヒー/ウォード
ジョン・キューザック/ヒラリー・ヴァン・ウェッター
メイシー・グレイ/アニタ
デヴィッド・オイェロウォ/ヤードリー
スコット・グレン/W.W
ネッド・ベラミー/タイリー・ヴァン・ウェッター
ニーラ・ゴードン/エレン
スタッフ・作品情報
監督・脚本:
リー・ダニエルズ
製作:
リー・ダニエルズ
エド・カゼル3世
カシアン・エルウィズ
ヒラリー・ショー
製作総指揮:
ダニー・ディムボート
トレヴァー・ショート
ジョン・トンプソン
ボアズ・デヴィッドソン
マーク・ギル
ヤン・デ・ボン
原作・脚本:
ピート・デクスター
音楽:
マリオ・グリゴロフ
配給:
ミレニアム・フィルムズ
日活
原題:The Paperboy
2017/07/16
パンチドランク・ラブ ― 異常なのは彼じゃない!
まずは最悪の女兄弟に囲まれて育った主人公に同情
初めて見た時の「なんだコレ感」がたまらなかった作品です。
なぜだか見るたび好きになる不思議な映画です。
パンチドランク・ラブ(原題:Punch-Drunk Love)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン / 製作年:2002年
ストーリーバリー(アダム・サンドラー)は、トイレの吸引棒を扱う小さな会社を経営している。
彼は口うるさい7人の女兄弟に囲まれて育ってきた。
楽しみといえば航空会社のマイレージの特典付きプリンを買うこと。
そんなバリーに様々な事件が一気に起こり始める。
姉の同僚リナ(エミリー・ワトソン)と出会い恋が発展していくかと思いきや、不覚にも一度電話したテレフォン・セックスの相手から何度も電話がかかってくるようになり、思いもよらない事件に発展していく。
キャスト
バリー・イーガン: アダム・サンドラー
リナ・レナード: エミリー・ワトソン
ディーン・トランベル: フィリップ・シーモア・ホフマン
ランス: ルイス・ガスマン
エリザベス: メアリー・リン・ライスカブ
スタッフ・作品情報
監督 ポール・トーマス・アンダーソン
脚本 ポール・トーマス・アンダーソン
製作 ポール・トーマス・アンダーソン
ダニエル・ルピ
ジョアン・セラー
音楽 ジョン・ブライオン
撮影 ロバート・エルスウィット
原題 Punch-Drunk Love
2017/06/11
モーリス ― アイヴォリー作品の真骨頂
男同士の濃厚なキスを初めて見た衝撃作
先日、6月7日は昨年この世を去ったプリンスの誕生日でした。
ミネソタ州ではプリンスの栄誉と業績をたたえてこの日を『Prince Day』としました。
私も、その日はラッキーなことにお休みでしたので、VHSで1985年のRevolutionのライブを鑑賞したり80年代のアルバムを聴いていました。
さて ―― 6月7日は、映画監督ジェームズ・アイヴォリーの誕生日でもあります。
先日、30年ぶり(まではいかないかな…20何年かぶり)くらいに『モーリス』をみる機会ができました。
日本では1988年に公開されましたが、劇場で見ることは叶わず。
映画好きの友達が、関東に住んでいたので(正確に言えば、福島と栃木の県境!)地上波放映の際にビデオに録画してもらいました。
全体的に薄暗い場面が多い作品で、おまけに電波も悪くて時々ノイズが入ったりしていましたが、その時からマーチャント―アイヴォリー作品では好きな映画の1本になりました。
モーリス(原題:Maurice)
監督:ジェームズ・アイボリー / 製作年:1987年
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耽美な映像 |
ストーリー
ケンブリッジ大学に学ぶモーリス(ジェームズ・ウィルビー)は、クライブ(ヒュー・グラント)と知り合いやがてお互いに深く惹かれ合うようになる。
お互いの家を行き来するうち抱き合い口づけを交わすも、体の関係には歯止めがかかっていた。
モーリスは亡き父の後を継ぎ株の仲買人に、クライブは弁護士としてそれぞれ別の道を歩み始めた。
その矢先、大学の同期生のリズリー(マーク・タンディー)が兵隊に手を出そうとして風紀罪で逮捕される事件が起きる。
彼は、将来を嘱望されながらも全ての地位を剥奪されてしまったのだった。
その一件からクライブの態度は一変 ―― 突然ギリシャへと旅立ってしまう。
それ以降、モーリスとクライブの運命が大きく変わって行く。
キャスト
モーリス・ホール : ジェームズ・ウィルビー
クライヴ・ダーラム : ヒュー・グラント
アレック・スカダー : ルパート・グレイヴス
バリー医師 : デンホルム・エリオット
デュシー氏 : サイモン・キャロウ
ラスカー・ジョーンズ : ベン・キングズレー
クリケットの見物客(カメオ) : ヘレナ・ボナム=カーター
スタッフ・作品情報
監督: ジェームズ・アイボリー
脚本: キット・ヘスケス=ハーベイ ジェームズ・アイボリー
原作: E・M・フォースター
製作: イスマイル・マーチャント
製作年: 1987年
製作国: イギリス
配給: ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
原題 : Maurice
2017/05/28
ライト/オフ― 久々、怖かった!!
暗闇に潜む何かよりママがとにかく怖い。
監督 デヴィッド・F・サンドバーグが2分半くらいのショートフィルムとして動画サイトで公開。
何千万回(詳細は忘れました)とか再生されたことから映画化に至った作品です。
気になっていたので録画して(WOWOWで放映)見てみました。
ホラーが苦手なので、何でも大抵の作品は怖がる自分です...ほんと、怖かったです。
珍しく主人(ホラー好き)も「面白かった!」という感想でした。
ライト/オフ(原題:Lights Out)
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ/製作年:2016年
ストーリー
母親 ソフィー(マリア・ベロ)が心を病んでから、実家を出てひとり暮らしをしていたレベッカ(テリーサ・パーマー)。
「電気を消すと、何かが来る。ママの様子も変で夜眠れないんだ」と実家に母親と2人で住む弟 マーティン(ガブリエル・ベイトマン)から相談される。
実はレベッカには思い当たる事実があった、彼女が家を出た理由も、それが原因だったのだ。
苦しんでいる幼い弟を見ながら、今度こそは家族を見捨てずに正体を突き止めようと決意する。
照明を準備し、実家に乗り込んだレベッカだった。
キャスト
テリーサ・パーマー:レベッカ
ガブリエル・ベイトマン:マーティン
ビリー・バーク:ポール
マリア・ベロ:ソフィー
スタッフ
監督: デヴィッド・F・サンドバーグ
製作: ジェームズ・ワン ローレンス・グレイ エリック・ハイセラー
脚本: エリック・ハイセラー
撮影: マーク・スパイサー
音楽: ベンジャミン・ウォルフィッシュ
原題: Lights Out(2016年 アメリカ映画 )
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ママ、あなたが一番怖いのよ! |
2017/05/21
リトル・オデッサ ― 90年代映画の傑作
兄弟愛と『アメリカンヒストリーX』の衝撃
90年代、劇場で見られなかった映画をWOWOWの番組表を綿密にチェックして見ていた時期があった。
その頃、本作『リトル・オデッサ』をみて尠からず衝撃を受けたのだった。
何が衝撃だったか ――
作品そのものの持つ雰囲気とテンポはそれまでに見たことにないものだったし、見るものを突き放した残酷な結末にはさすがにたじろいでしまったのだ ―― タイトルから勝手にほのぼのとした作品だと勘違いしていたから...
監督 ジェームズ・グレイ、若干25歳のデビュー作。
彼の作風である、ノワールではあるがオープニングから終始流れる静謐な空気は『Berliner Messe - Sanctus』の音楽の効果もあるのだろう。
リトル・オデッサ(原題:Little Odessa)
監督:ジェームズ・グレイ/製作年:1994年
ストーリー舞台はニューヨーク・ブルックリンのブライトン・ビーチ――リトル・オデッサと呼ばれる地区。
ここで生まれ育ったロシア系ユダヤ人ジョシュア(ティム・ロス)は、このエリアを牛耳るマフィアのボス ヴォルコフの息子を殺したために故郷に戻れない状態にあった。
ヒットマンとして自らの手を汚してきた彼にリトル・オデッサでの仕事が舞い込み、仕方なしにこの地に戻ることになる。
喜んでくれるのは久々に会う弟のルーベン(エドワード・ファーロング)だけ。
母のイリーナ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は脳腫瘍で余命いくばくもなく、父のアルカディ(マクシミリアン・シェル)はジョシュアを家に入れるつもりもない。
ジョシュアはかつての恋人アラ(モイラ・ケリー)と再会、忘れかけていた恋が再び燃え上がる。
一方、ヴォルコフは、ジョシュアが戻っている噂を聞きつけ彼の行方を追っていた。
アルカディは、ヴォルコフに借金がありジョシュアの居所を教えるよう迫られていたが、ついに息子を裏切ってしまう…
キャスト
ジョシュア・シャピラ:ティム・ロス
ルーベン・シャピラ:エドワード・ファーロング
アラ:モイラ・ケリー
イリーナ・シャピラ(母):ヴァネッサ・レッドグレイヴ
アルカディ・シャピラ(父):マクシミリアン・シェル
ボリス・ヴォルコフ:ポール・ギルフォイル
サシャ:デヴィッド・ヴァディム
スタッフ・作品情報
監督 ジェームズ・グレイ
脚本 ジェームズ・グレイ
製作 ポール・ウェブスター
音楽 ダナ・サノ
撮影 トム・リッチモンド
編集 ドリアン・ハリス
製作会社 ニュー・ライン・シネマ
配給 Fine Line Features(アメリカ)
メディアボックス=シネセゾン(日本 )
公開 1995年9月19日(アメリカ)
1995年12月23日(日本)
原題 Little Odessa
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故郷リトルオデッサにやむなく戻るジョシュア |
2017/05/17
パターソン(Paterson)− チクショウ、詩が好きだ。誰か文句あっか!?(by ジム・ジャームッシュ)
アダム・ドライバーのファン続出!自由な妻、真面目夫vsワンコ
前作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ』から約3年。
ジム・ジャームッシュ作品はヴァンパイアのカップルではなく、平凡な毎日を送る生身の人間たちのお話だ。
パターソン(原題:Paterson)
監督:ジム・ジャームッシュ/製作年:2016年
ストーリーニュージャージー州パターソンに暮らすパターソン(アダム・ドライバー)は、妻のローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)とフレンチブルドッグのマーヴィンと暮らしている。
市の巡回バスの運転手をしている彼は、いつも同じ時間に起床し職場に向かう。
仕事の合間に詩を書き、秘密のノートに記している。
夜は行きつけのバーで、一杯のビールを飲むことがささやかな楽しみ。
毎日毎日同じルーティンは続く...そんなパターソンのある一週間の物語。
キャスト
パターソン:アダム・ドライバー
ローラ:ゴルシフテ・ファラハニ
エヴェレット:ウィリアム・ジャクソン・ハーパー
マリー:チャステン・ハーモン
ドック:バリー・シャバカ・ヘンリー
日本人の詩人:永瀬正敏
スタッフ・作品情報
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
製作:ジョシュア・アストラチャン、カーター・ローガン
音楽:カーター・ローガン
撮影:フレデリック・エルムス
製作:
K5 International
Le Pacte
Animal Kingdom
Inkjet Productions
公開:
2016年5月16日 カンヌ国際映画祭
2016年11月17日 ドイツ
2016年12月21日 フランス
2016年12月28日 アメリカ
無欲な男、パターソンが織りなす不思議な詩の世界
アダム・ドライバーが演じるのは、巡回バスのドライバー。ちょっぴりジョークのようなキャスティング。
彼の名前は、パターソン ―― パターソン(アメリカ ニュージャージー州)に妻と小さな家に住む地味な労働者階級の男。
詩を書くこと以外に物欲は一切ない。
詩と妻の笑顔があれば「何もいりません!」といってもいいほどの無欲な人間だ。
毎日見慣れた同じ市内の風景の中、運転しながら自然に聞こえてくる乗客の会話に耳を傾けながら時おり見せる微かな笑顔。
そうしている間に、時計の針は彼の意識を超えて勝手に進み続ける。
働く人なら覚えがある「無意識のうちに時間が過ぎてた」ってやつだ。
街の空気と流れ行く景色に包まれながら、パターソンの書く詩の世界に入り込んでいく。
彼が生み出した詩が音(サウンド)のように流れてくる、アダム・ドライバーのボイスオーバーが心地いい。
ローラは、同じアーティストタイプとはいえ、パターソンとは真反対の性格。
家中のカーテンを始めあらゆるものにサークル(円)を描きまくったり、カップケーキを焼いている。
常に新しい何かに挑戦するタイプの美しい女性だ。
妻が毎日作るエキセントリックなカップケーキやピザにパターソンは「おいしい!」と笑顔で応える、少しだけ引きつっているのだけれど。
妻の笑顔を見られれば、それだけで日々幸せなのだ。
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アーティストのローラ。サークル模様が大好き! |
詩、そしてウィリアム・カルロス・ウィリアムズへのオマージュ
パターソンの敬愛する詩人、ウィリアム・カルロス・ウィリアムズ。ウィリアムズが残した5部から成る難解な詩集『パターソン』。
現代人の心と都市の間の類似を、特殊な表現手法を使って編んだ作品 ―― さながら、短編小説、手紙、新聞記事などを切り貼りしたコラージュのようだ。
ローラが朝、何気なく発した言葉はパターソンのいく先々に形を変えて登場する。
バスの乗客が発する会話、夜のバーに居つくバーフライ ―― 周囲の人たちは主人公となんらかの糸で繋がっている。
パターソンに暮らす人たちは個として存在し、様々な問題や憂鬱を抱えて生活している。
まるでウィリアム・カルロス・ウィリアムズの詩に登場する苦悩の元に事件を引き起こす人たちのように。
しかしながら、映画の中でウィリアムズの詩集のように誰かが滝で綱渡りをするでもない。
作品全体の流れを大きく変えるような大事件は起こらない。
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帰宅するとなぜいつもポストが倒れてるの?? |
パターソンの滝
パターソンが妻の手作りのパンケーキを食べながら詩作をする場所が、パターソン市で有名な大滝(The Great Falls)だ。詩集『パターソン』が複雑な手法をとりつつ、結局はパターソンという土地とそこに流れる滝に帰着するように、ラストシーンでは主人公もこの大滝に戻ってくる。
―― ここでは涙を必死でこらえる アダム・ドライバーに惹かれること必至だ。
この重要なシーンに登場するのが、彼...『ミステリー・トレイン』の時、どこかへそ曲がりの若造 ジュンを演じた永瀬正敏だ。
二人は、これまたある共通点で繋がってくる。
パターソンにとっては、それこそ“Aha experience”と言えるだろう。
(わかりづらい説明で申し訳ないが、映画を見ればわかる...はず)
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A-ha !!! |
日々の生活と自身の創る詩との間を漂うふわふわした感覚は、私たち見る側に不思議な心地よさを感じさせてくれる。
本作は、労働者階級の主人公 パターソンの生活と彼が織りなす詩の世界が、クロスプロセスのように描がれているのだ。
例によってジャームッシュ監督らしい会話劇ではあるが、登場人物の表情に思わず引き込まれてしまう。
その視座は定距離でいながら、大きく包み込むような優しさが感じられる。
日々を規則正しく慎ましく平穏に送っているパターソンだが、ローラとマーヴィン(犬)との三角(2人と1匹!)関係も注目すべきだろう。
彼女はマーヴィンに話しかける時、赤ちゃん言葉になるのだが、それを穏やかならざる様子で見ているパターソンの表情に要注意だ。
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パターソンのライバル?! ブサカワ犬のマーヴィン |
僕は詩人たちをアウトローの幻視者だと思う。by ジム・ジャームッシュ
なんていうか、詩が好きだ。
チクショウ、詩が好きだ。誰か文句あるか!?
『Jim Jarmusch Interviews』(東邦出版)より
(1999年11月15日 第43回 ロンドン・フィルム・フェスティバル ナショナルフィルムシアター&『ガーディアン』誌インタビュー)
『パターソン』は、8月26日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開。
2017/05/04
恋人たちの予感 − 男と女は複雑なのである!
若い頃、誰にでもある愚かさを思い出す映画
当時一番仲良しだった友達と劇場でみた映画だ。
「男女の間に友情は成立するか?」
映画が終わった後、このテーマを食事をしながら真剣に語らったのだ。
そうは言っても、恋愛経験豊富な友達ほどこの映画を真剣に捉えていなかったのは否めない。
「自分勝手に夢の中のヒロインでいたい女という生き物は、“ひたむき”を装う為に信じていないものも信じていると平気で言えるのだ。
サリー(メグ・ライアン)にしたとて“ぶりっ子”的な振る舞いが多すぎるではないか。時にお得意の涙を駆使して生真面目なハリー(ビリー・クリスタル)を散々振り回し続けた…要は彼女は一枚上手だ」
冷淡な批評をしていた当時の自分。
映画のハリーが言うように、セックスによって男女間の友情、信頼関係は消えていくと知っているのに、そうではない“ふり”をしているサリーは性悪だと…なんという斜め目線ないけ好かない若造だったことか。
久々に『恋人たちの予感』を見た感想より先に、あの時の自分の青さを思い出して少し恥ずかしささえ覚えた。
恋人たちの予感(原題:When Harry Met Sally...)
監督:ロブ・ライナー/製作年:1989年
キャスト
ハリー・バーンズ - ビリー・クリスタル
サリー・オルブライト - メグ・ライアン
マリー - キャリー・フィッシャー
ジェス - ブルーノ・カービー
ジョー - スティーヴン・フォード
アマンダ - ミシェル・ニカストロ
スタッフ・作品情報
監督: ロブ・ライナー
脚本: ノーラ・エフロン
製作: アンドリュー・シェインマン
ロブ・ライナー
音楽: ハリー・コニック・Jr
撮影: バリー・ソネンフェルド
編集: ロバート・レイトン
製作会社: キャッスル・ロック・エンターテインメント
配給: コロンビア映画(アメリカ)
日本ヘラルド映画(日本の旗)
公開:1989年7月21日(アメリカ)
1989年12月23日(日本)
原題: When Harry Met Sally...
2017/05/02
神様メール − 聖書は自分で作るもの!
ゴリラと寝るカトリーヌ・ドヌーブに感動します
WOWOWで鑑賞しました。
神様メール(原題:Le tout nouveau testament)
監督:ジャコ・バン・ドルマル / 製作年:2015年
ストーリー
ベルギーのブリュッセル。とあるアパートに家族と共に生活している神は、慈悲深いという人々が抱いているイメージとは真逆の嫌な人物であった。自分の部屋に置かれたパソコンを駆使して世界を管理しているが、いたずらに災害や事故を起こしては楽しんでいた。そんな父親に怒りを覚える10歳の娘エア(ピリ・グロワーヌ)は、家出を考える。立ち入りを禁じられている父親の部屋に忍び込んだ彼女は、全人類それぞれの死期を知らせるメールを送信して家を飛び出してしまうが……。
(シネマトゥデイより)
キャスト
ブノワ・ポールブールド − 神様
カトリーヌ・ドヌーブ − マルティーヌ
フランソワ・ダミアン − フランソワ
ヨランド・モロー − 女神
ピリ・グロワーヌ − エア
スタッフ・作品情報
監督: ジャコ・バン・ドルマル
製作: オリビエ・ローサン ダニエル・マルケ
脚本: ジャコ・バン・ドルマル トーマス・グンズィグ
撮影: クリストフ・ボーカルヌ
美術: シルビー・オリベ
編集: エルベ・ド・リューズ
音楽: アン・ピエールレ
原題: Le tout nouveau testament
製作年: 2015年
製作国: ベルギー・フランス・ルクセンブルク合作
2017/04/22
ザ・ギフト − 全ての原因はお前だったのか?!
悪いやつは意外な所にいる!
以前、テレビの映画紹介コーナーで…「王様のブランチ」です!...紹介されていてとても気になっていた作品です。
DVD化されて、とうとう見ることができました。
テレビで紹介されていた感じだと、ストーカー絡みの話かなと予想はしていましたが、ある意味予想外の方向に進んでいきました。
ザ・ギフト(原題:The Gift)
監督:ジョエル・エドガートン / 製作年:2015年
ストーリー
サイモン(ジェイソン・ベイトマン)とロビン(レベッカ・ホール)は、引っ越してきたばかりの土地で幸せいっぱいな日々を送っていた。
悩みといえば、子供ができないことくらいだった。
そんな彼らの前に、サイモンの高校の同級生ゴード(ジョエル・エドガートン)が現れる。
食事に誘い別れた矢先、ゴードから1本のワインをプレゼントされる。
それをきっかけに家を訪ねては贈り物をし続けるゴード。
サイモンは実は高校時代ゴードは変わり者で、あまり関わりたくないことをロビンに打ち明ける。
ゴードの行動が次第にエスカレートしていき、二人が違和感を抱くようになるり、周囲で異変が生じ始める。
キャスト
サイモン - ジェイソン・ベイトマン
ロビン - レベッカ・ホール
ゴード - ジョエル・エドガートン
ルーシー - アリソン・トルマン
ケヴィン・“KK”・ケラー - ティム・グリフィン
ダフィー - ビジー・フィリップス
ロン - アダム・ラザール=ホワイト
ウォーカー刑事 - ボー・ナップ
ミルズ刑事 - ウェンデル・ピアース
スタッフ・作品情報
監督: ジョエル・エドガートン
脚本: ジョエル・エドガートン
製作: ジェイソン・ブラム
レベッカ・イェルダム
ジョエル・エドガートン
撮影: エドゥアルド・グラウ
編集: ルーク・ドゥーラン
公開:
2015年8月7日(アメリカ)
2016年10月28日(日本)
原題: The Gift
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幸せな夫婦に忍び寄る不気味な影 |
2017/04/16
ディスタービア(Disturbia) − ある意味期待を裏切らない作品
凝った内容でもなく、肩の力を抜きながら見られる映画です。
ただ私の場合、後半はハラハラドキドキが続き、心臓バクバクでした。
若いシャイア・ラブーフが見られます。
「マトリックス」のキャリー=アン・モスが母親役で出ています。
ディスタービア(原題:Disturbia)
監督:D・J・カルーソー / 製作年:2007年
ストーリー
ケイル(シャイア・ラブーフ)は、突然の交通事故で彼の目の前で父親を亡くしていた。
ショックから立ち直れない状態が続き自暴自棄になっていた、ある日学校でスペイン語の教師を殴ってしまう。
罪を問われた彼は、3ヶ月間の自宅監禁処分を裁判所から言い渡される。
足首に監視システムを付けられ、自室から出ることができなくなったケイル。
母親(キャリー=アン・モス)から、テレビのコードも切断されゲームもできない。
暇を持て余して、双眼鏡で近隣住民への覗きを始める。
隣に越してきたばかりの謎めいた美人アシュリー(サラ・ローマー)とも親しくなる。
親友のロニー(アーロン・ヨー)を誘って隣近所の覗きに没頭しながら、テレビのニュースで放映していたシリアルキラーが裏手に住んでいるターナー(デヴィッド・モース)ではないかという疑いを持ち始める。
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隣に越してきたアシュリーも覗き仲間に... |
2017/04/09
マンチェスター・バイ・ザ・シー − 2016 / 淡々とした映像からにじみ出るそれぞれの機微
5月に控えた「マンチェスター・バイ・ザ・シー」は、近隣の劇場での上映はいつになるかわからないと判断して、北米版のDVDで一足先に見ることにしました。
マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題:Manchester by the Sea)
監督:ケネス・ロナーガン / 製作年:2016年
ストーリー
ボストンで配管工やゴミ収集などの何でも屋をしながら暮らすリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)。
黙々と仕事をこなす毎日、彼は他人(ひと)とのコミュニケーションに問題があった。
ある日、彼の故郷の友だちジョージ(C.J. ウィルソン)からリーの兄ジョー(カイル・チャンドラー)が倒れたとの電話を受ける。
彼がマンチェスター・バイ・ザ・シーに到着した時はすでに亡くなっていた。
久しぶりにジョーの息子パトリック(ルーカス・ヘッジズ)に再会するリー。
葬儀などの支度をするため、しばらくマンチェスターにとどまる間、久々に共に時間を過ごしながら気持ちがかみ合わずたびたび衝突を繰り返す2人だった。
キャスト
ケイシー・アフレック - リー・チャンドラー
ミシェル・ウィリアムズ - ランディ
カイル・チャンドラー - ジョー・チャンドラー
ルーカス・ヘッジズ - パトリック
C.J. ウィルソン - ジョージ
スタッフ・作品情報
監督: ケネス・ロナーガン
脚本: ケネス・ロナーガン
製作: キンバリー・スチュワード
ローレン・ベック
クリス・ムーア
マット・デイモン
ケヴィン・J・ウォルシュ
音楽: レスリー・バーバー
撮影: ジョディ・リー・ライプス
編集: ジェニファー・レイム
製作会社: Bストーリー
Kピリオド・メディア
パール・ストリート・フィルムズ
CMP
配給: アマゾン・スタジオズ
ビターズ・エンド/パルコ(日本)
公開: 2016年11月18日(アメリカ)
2017年5月13日(日本)
公式サイト: http://www.manchesterbythesea.jp/
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ケイシー・アフレック、ルーカス・ヘッジズともに最高の演技をみせてくれます |
2017/04/02
64(ロクヨン)− 2016 / 昭和に取り残された人々の顛末
昨日、WOWOWで前後編が一挙放映されていたので、かなり期待しながら見ました。
64(ロクヨン)
監督:瀬々敬久 / 製作年:2016年
キャスト・スタッフ佐藤浩市 - 三上義信
綾野剛 - 諏訪
榮倉奈々 - 美雲
夏川結衣 - 三上美那子
瑛太 - 秋川
窪田正孝 - 日吉浩一郎
原作 - 横山秀夫『64(ロクヨン)』
監督 - 瀬々敬久
脚本 - 久松真一、瀬々敬久
2017/03/25
お嬢さん − 2016
『お嬢さん』は、パク・チャヌクの14作目(オムニバス、短編も含め)にして、『イノセント・ガーデン Stoker (2013)』から3年ぶりの作品になります。
昨年末からネットの記事を拾っては耳をすませ、待ちに待っていましたが例によって数少ない劇場でしか公開されず。
またもや、DVD(北米版)を取り寄せるという強行(!)手段に踏み切ったわけであります。
韓国語と日本語が半々(韓国語が若干多いかも)で、韓国語の部分は英語字幕で観賞しました。
お嬢さん(原題:아가씨 (アガシ))
監督:パク・チャヌク / 製作年:2016年
ストーリー
日本統治下の朝鮮半島。
ある男がときの政府に取り入り金儲け、それに飽き足らず日本人として生まれ変わること(帰化)を強く望んでいた。
男はその願いを強行するために、日本の華族の令嬢と結婚し、日本姓「上月」を名乗っていた。
やがて上月(チョ・ジヌン)の妻は亡くなり、その姪である秀子(キム・ミニ)が遺産を相続することになった。
遺産を横取りしようと現れたのが、“藤原伯爵”を名乗る朝鮮人のペテン師(ハ・ジョンウ)だった。
その計画とは、伯爵が秀子に絵画を教える名目で上月の屋敷に潜り込む――
前もってペテン師が出入りする詐欺集団の巣窟に生まれ育った女の子 スッキ(キム・テリ)を秀子付きの女中として雇わせておいた。
スッキは珠子という日本名をもらい秀子お嬢さまの身の回りの世話をしながら、藤原伯爵に心がなびくように仕向けていく役割だった。
藤原伯爵の計画では、上月の留守中にうまく秀子を連れ出して駆け落ち、結婚した後精神病院に閉じ込め置き去りにして逃げるというものだった。
企みが成功したあかつきには、藤原が儲けた分け前とお嬢さんの金品を持って鄙びた故郷から逃げ出そうとするスッキだった...
キャスト
キム・ミニ:秀子お嬢様
キム・テリ:スッキ、珠子
ハ・ジョンウ:藤原伯爵(詐欺師)
チョ・ジヌン:上月
キム・ヘスク:佐々木夫人
ムン・ソリ:秀子の叔母
スタッフ
監督: パク・チャヌク
脚本:
パク・チャヌク、チャン・ソギョン
原作: サラ・ウォーターズ『荊の城』
製作: パク・チャヌク、シド・リム
製作総指揮: マイキー・リー
音楽: チョ・ヨンウク
撮影: チョン・チョンフン
編集: キム・ジェボ、キム・サンボム
製作会社: モホ映画、ヨン映画
配給: CJ E&M フィルム・ディビジョン
公開: 2016年5月14日(カンヌ)
2016年6月1日(韓国)
上映時間 145分
製作国: 韓国
言語: 朝鮮語、日本語
原題: 아가씨 (アガシ)
英題 : The Handmaiden
2017/03/17
LA・LA・LAND(ラ・ラ・ランド) − 2016
子どもの受験が一段落したので、ようやく見て参りました『ラ・ラ・ランド』。
手放しで大絶賛されているものと思いきや、賛否両論ですね。
今回も、菊地某さんが
「『ラ・ラ・ランド』ごときで喜んでいるヤツは、恋愛飢餓かミュージカル映画について無知だ」
とおっしゃっておりました。
こうなったら、とことんデイミアン・チャゼルを敵に回したいのか。(笑)
かく言うわたくしも『セッション』につきましては、期待したほどではなかったということで感想を綴るのは差し控えました。(これからもう一度見直して書く予定はあります)
ただ、あの時は菊地さんの批評といいますか、こきおろし方がいただけないなというやるせなさは残りましたね。
ラ・ラ・ランド(原題:LA・LA・LAND)
監督:デミアン・チャゼル / 製作年:2016年
キャスト
セバスチャン(セブ) - ライアン・ゴズリング
ミア - エマ・ストーン
キース - ジョン・レジェンド
セバスチャンの姉 - ローズマリー・デウィット
グレッグ - フィン・ウィットロック
スタッフ
監督: デミアン・チャゼル
脚本: デミアン・チャゼル
製作: フレッド・バーガー
ジョーダン・ホロウィッツ
ゲイリー・ギルバート
マーク・プラット
音楽: ジャスティン・ハーウィッツ
撮影: リヌス・サンドグレン
編集: トム・クロス
公開: 2016年8月31日(ヴェネツィア国際映画祭)
2016年12月9日(アメリカ合衆国)
2017年2月24日(日本)
原題: La La Land
via GIPHY
2017/02/28
American Honey / アメリカン・ハニー(原題) - 2016
『ラ・ラ・ランド』の前売り券を買っておきながら、まだ見ていない。
時間がないわけではないけれど、来週は息子の受験日もあって、心に余裕がない。
劇場に行っても楽しめない気がしている。
とはいいつつも、自宅では旧作を見たり、取り寄せた海外版DVDを観賞したりはしている。
昨年からネットで知って惹かれる1本があり、少し前にDVD(北米版)で観賞。
ひさびさに琴線にふれる作品、期待通りだった。
アメリカン・ハニー(原題:American Honey)
監督:アンドレア・アーノルド / 製作年:2016年
映画『American Honey』に流れるカントリーミュージック『アメリカン・ハニー(2010)/ レディ・アンテベラム』を聴いてしんみりしながら、“旧きよきアメリカ”とはいつのことをいうのだろうとふと考えてしまう。
私が考える“旧きよきアメリカ”とは、自分が小さい頃にテレビで放映される映画で見ていた時代のこと...経済的に豊かで映画・音楽文化が発展していた頃のアメリカだ。
本作は『アメリカン・ハニー』の歌詞に出てくるようなすくすくと育った奔放な女の子が大人になっていく数ヶ月を描いている。
ノリのいいヒップホップ、そして対をなす心に染みわたるカントリーミュージックを配して作品にメリハリをつけている。
ストーリー
18歳のスター(サシャ・レーン)は、父親違いの妹弟の面倒を見ながらその日を暮らしていた。
飲んだくれの継父は、いやらしくスターの体をさわりまくる。イヤなことを耐え忍ぶ悲惨な日々。
そんなある日、Kマートで奇妙な集団に出会う。
バンに乗りこみ、家々を回って雑誌を売りながら旅をして暮らす若者たちだった。
ミジメな生活から逃げ出す一心で仲間に加わることにするスター。
若者たちの中に、偉才をはなつ青年ジェイク(シャイア・ラブーフ)がいた。
ジェイクや若者たちの仕事ぶりに常に目を光らせるボスは、クリスタル(ライリー・キーオ)だ。
ジェイクにマガジン・セールスの手ほどきを受けるうち、ほどなく二人は愛し合うようになる。
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みずみずしい映像はカメラワークの賜物 |
キャスト
スター − サシャ・レーン
ジェイク - シャイア・ラブーフ
ペーガン - アリエル・ホルムズ
クリスタル - ライリー・キーオ
コリー - マッコール・ロンバルディ
スタッフ
監督・脚本:アンドレア・アーノルド
撮影:ルビー・ライアン
公開:2016年5月15日(カンヌ映画祭) 2016年9月30日(アメリカ)
製作国:イギリス
原題:American Honey
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ジェイクはクリスタルの腰巾着的な存在?! |
2017/02/03
シング・ストリート 未来へのうた
ワクワク、キュンキュン、涙。
MTV、バンド、ダンスパーティ!80年代 青春してた私たちの映画。
とにかく、とにかく(しつこい^^; )泣かせる映画です。
“泣かせる”とひと言で言っても、さまざまありますが、『シング・ストリート』に出てくる登場人物は、あの時代の私であり、80年代に青春まっただ中だった人たち!
もう、悶絶します。
面白かった!(映像ディレクター 大根仁)
80年代に青春を過ごした世代にはたまりません。
思い当たるフシがありすぎて死ぬかと思いました。
こんな映画でデートしたい!
TSUTAYA CLUB magazineより
岡村ちゃん(岡村靖幸)も、“キュンキュンする青春がたまりません。”
なんていってましたが、まったく同じでございます。
シング・ストリート 未来へのうた(原題:Sing Street)
監督:ジョン・カーニー / 製作年:2016年
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初ビデオ撮影。完全にニューロマンティック路線 |
主人公コナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)が兄弟や両親とリビングに集って当時の音楽番組を見ながらワイワイやるシーン。
MTVやベストヒットUSAの時間になるとテレビの前に陣取って食い入るように見ていた頃を思い出してしまう。
まだ、MVなどが世の中に広まったばかりの時代―――バンドがヒラヒラの衣装でメイクをしてパフォーマンスしていた、あの時代。
まさにデュラン・デュランやスパンダー・バレエ、ヒューマン・リーグ、ABC…ニューロマンティックとかつて呼ばれていたバンドが大活躍していました。
今の時代に、あのMVを見ると「うわっ!何このダサいの!! 」なんて言われるかもしれないけれど、当時見ていた私たちは、「ジョン・テイラー、最高だわぁ~」なんて胸ときめかせてました。
ヘアスタイルなんかも髪の上の方を盛り上げて、真似したりしてましたよ…恥ずかしいけど^^;
ブリティッシュに夢中になってる途中で’84年プリンスに出会って、彼の音楽中心になっていったんですけどね。
映画の話からすっかりそれてしまいました。『シング・ストリート』に話は戻って。
ストーリーよし、音楽よし、特に演出が冴えてると思います。
音楽の使い方が素晴らしいんですよね。
リチャード・リンクレイターなんかも音楽の入れ方が上手な監督さんなんですが、カーニー監督はそれを越えるかも。
驚いたのがシング・ストリート名義の楽曲のプロデュースは、あの『Mary’s Prayer』で知られる(以前記事にしました)ダニー・ウィルソンのメンバー、ゲイリー・クラークだそうなんです!
うわぁ、曲の雰囲気とか歌詞でキュンっとなりましたが「なるほどぉ~」って感じです。
できれば、ラストも彼の楽曲にして欲しかった…。
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エコバニのイアン・マッカロクっぽくなってるコナーくん! 音楽もネオアコっぽい路線へ |
ストーリー
ケンカが絶えない不仲な両親の間で、それぞれの悩みを抱えながら生活しているコナーとその兄弟たち。
兄のブレンダン(ジャック・レイナー)は、大学を中退し、夢をかなえるためにドイツに渡りたかったところを親に引き止められて引きこもり生活に。
姉のアン(ケリー・ソーントン)は、大学で建築を学んでいるが本意ではないらしい。
父(エイダン・ギレン)は職がなく、母親(マリア・ドイル・ケネディ)は週三日の仕事に出ている。
このギリギリの状態で生活費を切り詰めるために、コナーを学費のかからないカトリックの学校 シング・ストリート高校に通わせることになる。
学校はいかにも育ちの悪い生徒ばかりの上、校長は決められた色の靴を履いてこないコナーを裸足にさせたりのスパルタ式。
不幸な毎日を送るコナーは、モデルをしているという謎めいた女の子 ラフィーナ(ルーシー・ボイントン)と出会う。
バンドをしている自分たちのMV(ミュージックビデオ)に出ないか?と誘いをかけるコナー。
….もちろん、バンド活動などしたこともないというのに。
出演OKの返事をもらったコナーはメンバーを集めバンドを結成する。
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